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拠点形成計画の概要

機関名 お茶の水女子大学
 拠点のプログラム名称 格差センシティブな人間発達科学の創成
中核となる専攻等名 人間文化創成科学研究科
人間発達科学専攻
 事業推進担当者 耳塚寛明
外 16名

[拠点形成の目的]
 本拠点は、人間文化研究科(2007年度4月より人間文化創成科学研究科に改組予定)人間発達科学専攻を中心に、格差にセンシティブ(敏感)な人間発達科学の創成と、その担い手となるソーシャル・ジャスティス(社会的公正)にセンシティブな人間発達研究者、特に女性研究者の養成を目的として形成される。特に本拠点がめざす人材育成と研究活動の目的は、以下の通りである。
 まず、人材育成であるが、従来の人間発達研究者は、自身の研究領域と他の研究領域との関係、および、自分の行っている研究と社会とのつながりについて、十分自覚的でないタコツボ化の傾向、研究世界と実践世界が遊離する傾向、社会的課題意識が希薄化する傾向があった。本拠点では、こうした傾向を克服する新しい人間発達研究者像を、ソーシャル・ジャスティスにセンシティブな研究者として規定し、その育成という課題に正面から取り組むことをめざす。
 次に研究活動であるが、本拠点では、21世紀COE「誕生から死までの人間発達科学」での実績と成果をふまえて、人間発達の時間軸を貫く格差の次元を国際的格差、教育・社会的格差、養育環境格差の3つの次元に設定する。そして、それぞれの格差ごとに発達の時間軸を貫く格差の再生産構造を浮かび上がらせるとともに、その解明と構造転換への道筋を探究することをめざす。

[拠点形成計画の概要]
(運営体制)
上述した国際的格差、教育・社会的格差、養育環境格差の3つの格差領域に、教員、院生、若手研究者が参加し、学長のリーダーシップのもと、研究院と教育院のそれぞれに足場をおいて、人材育成と研究活動の双方を行う。さらに、複数のグループにまたがるオーバーラッピングメンバー(連携推進担当者)を作り、連携融合をはかりながら、教育研究成果を集約していく。


図1 本COEの組織


運営のための組織としては、人材育成では教育プログラム委員会を、研究活動では研究プログラム委員会(運営組織)と人間発達追跡研究センター(仮称、研究実施組織)を組織的なコアに据える。教育プログラム委員会では、事業推進担当者と院生の代表が参加して、後述する基盤教育プログラムと革新教育プログラムの実施について協議し、実行する。また、人間発達追跡研究センターは、人生の全ライフスパンを網羅する最先端の縦断研究基地である。事業推進担当者、客員教授、若手研究者がこのセンターの研究員を兼務し、研究推進のための中心的組織とする。各グループは、人間発達追跡研究センターを通じて附属校園とも連携し、研究と実践の融合を進めていく。
また、外国人を含む学外からのレフェリーと、学内の外部審査委員によってCOE外部評価委員会を組織し、外部評価を実施する。外部評価委員会は、評価結果を学長に報告する。さらに、21世紀COEの実績をふまえて、COE研究倫理委員会の活動を継承し、本拠点において調査・実験研究を行う場合には、必ずCOE研究倫理委員会に申請し、審査を受けて認定証を得るものとする。

(人材育成)
 人材育成計画は、研究者養成の基礎となる基盤教育プログラムと、本拠点がめざすソーシャル・ジャスティスにセンシティブな新しい研究者養成のための革新教育プログラムから構成する。


図2 基盤教育プログラム


基盤教育プログラムでは、公募研究制度、交換留学プログラム等による自律的研究機会の保障、研究発表支援プログラム等による国際発信能力の育成、RAやRF、ポスドク研究員を広く国内外から公募すること等による生活支援を3つの柱として取り組む。また、大学院イニシアティブと連携して、博士後期課程における博士論文提出資格獲得までのステージを示したステージ制の導入、学部、大学院教育を一貫させたアカデミックトラック制の導入をはかる。
革新教育プログラムでは、実践現場との協働研究プログラムをたて、研究世界と実践世界との異質性、緊張関係を前提としたうえで、両者が協働=コラボレートする協働研究プログラムを構築する。さらに、研究倫理プログラムをたて、21世紀COEで行ってきた研究倫理委員会を発展させる。

(研究活動)
人間発達の時間軸をつらぬく格差の次元を3つのレベルに設定し、それぞれについて、発達の時間軸ごとに、教育学・心理学・社会学からのマルチアプローチによって格差の再生産構造を浮かび上がらせると共に、その解明と構造転換への道筋を探究する。第1の国際的格差領域では、グローバリゼーション下における国際的格差の構造に着目し、国際的格差構造の解明とその是正のための教育支援のあり方を発達の各ステージに即して解明する。第2の教育・社会的格差領域では、教育や職業を通して現れる格差のメカニズムを明らかにすることを課題とする。主に教育学的、社会学的視点から、学力格差の構造、トランジッション(移行期)における格差、老年期における格差等を扱う。第3の養育環境格差領域では、養育過程における家庭や保育・教育施設の中での環境と個人との時系列的な相互作用に着目し、人間の発達に沿ったケア・クォリティやQOL(クォリティオブライフ)に現れる格差について、主に心理学的視点からその解明をめざす。

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グローバルCOE 「格差センシティブな人間発達科学の創成」 HP運営委員会
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UPDATE : 2012年3月31日