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徴音祭「お茶大生島暮らし体験記」実施報告

2023年3月8日更新

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当日の展示室の様子

2022年11月12日、13日に開催された第73回徴音祭において、グローバル協力センター「共に生きる」スタディグループの活動の一環として「海士ブータンプロジェクト」が主催する「お茶大生島暮らし体験記」を発表しました。

展示・対面での発表に加えてYouTubeで動画を公開し、昨年度本学を休学して島根県の隠岐諸島(海士町)で生活していた、文教育学部人間社会科学科教育科学コース4年生の水越日向子より、島暮らしの経験をお話しさせていただきました。

※海士町について詳しくは「お茶大生島暮らし体験記」学内発表会の報告をご覧ください
https://www.cf.ocha.ac.jp/cwed/j/menu/activity/a20220613.html

※当日発表動画URLはこちら

※展示したポスターはこちら

今回発表させていただいたのは、「自分の考えていることを伝えてみたらどうなるんだろう?」という率直な疑問がきっかけです。海士町に行って、環境や社会は選ぶこともできるし正解はないと知り、息がしやすくなりました。一方で、どう選択したらよいか分からなくなり、さらに生き惑ったというのが本音です。社会に対する何とも言えない違和感を抱きつつ、それを自分の中に閉じ込めてしまう自分に葛藤しました。

島暮らしでの一番の実りは、自分のまま生きていける場所があるかもしれないと思えたことでした。それは、たくさんの方々と関わるなかで、自分の違和感を押し殺さなくても、受け取ってもらえることがあると知れたからです。言わなければ伝わらないけど、伝えてみたら何か起きるかも知れない。ではまずは誰かに自分の考えを手渡してみたらどうかと思い、徴音祭という機会をいただいて発表に臨むことにしました。

私は当日、展示室のすみっこに座っていたのですが、本当にたくさんの方が展示に足を運んでくださり驚きました。あまりにも字数が多くなってしまった手書きのポスターを、端から端まで丁寧に読んでくださる方も多く、とても嬉しかったです。また、大学生の時の迷いを打ち明けてくださった保護者の方、同じように悩んでいる大学生など、実際に声をかけてくださる方も多く、とても励みになりました。ありがたい気持ちでいっぱいです。「何かがすごく楽になった」「少し生きやすくなった」というお言葉をいただき、勇気を出してよかったと強く思いました。

もちろん、若輩者の考えに対して厳しいご意見もありました。私の言葉によって、思わぬ誰かを傷つけてしまったかもしれません。紛れもなく私自身の言葉を、不特定多数の方の前に提示することの重さを実感し、言葉を発することに恐れを抱いています。

しかし、私たちは言葉によって人と繋がることができます。その可能性を掴んだ2日間でした。私が発信することで、誰かの生き辛さを少しでも包み込めるのならば、その責任を自覚した上で、これからも丁寧に言葉を紡いでいきたいと思っています。

きっと大切なことは、簡単に白黒つけられない、やわらかな曖昧さの中にあるのだと思います。どうしても正しさを追いかけてしまうけれど、私は優しさを大切にしたい。今回の発表を通じて、その一歩を踏み出せたように感じています。ご参加いただいた皆さま、本当にありがとうございました。この経験を励みにこれからも生きていきたいと思います。

(文教育学部人間社会科学科教育科学コース4年 水越日向子)

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