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2025年11月26日更新
お茶の水女子大学グローバル協力センターでは、全学共通科目として、開発途上国を巡る諸相と国際協力・SDGsに関する理解を深める目的で、海外実習科目「国際共生社会論実習」「国際共生社会論フィールド実習」を毎年開講しています(今年度は「国際共生社会論実習」のみ)。
2025年度は、8月21日から29日にかけてカンボジア現地調査(スタディツアー)を、9月15日から24日にかけてブータン現地調査(スタディツアー)を実施しました。
11月8~9日のお茶大大学祭「第76回徽音祭」では、学術企画、そして、この海外実習科目の事後学習の一環として、スタディツアーに参加した学生(履修生)による調査成果発表や展示が行われました。以下は発表・展示を行った学生による報告です。
11月8日、同日に開催された徽音祭にて、「国際共生社会論実習」の一環として行われたブータンスタディツアーへの参加学生2名より、調査研究の成果発表を実施いたしました。
発表では、本スタディツアーの概要および、各自が現地で取り組んだ調査テーマについて、写真やエピソードを交えながら報告しました。
また、なかなか馴染みの薄い国であるブータンについて、地理的な特徴や文化的背景、社会制度に加え、国民全体の幸福を大切にする国策「GNH(国民総幸福量)」の理念についてもご紹介しました。あわせて、参加者の皆さまにも「自分にとっての幸福とは何か」を考えていただく参加型GNHワークを実施し、短い時間ながらも皆さまからのご意見や気づきを共有していただくことができました。皆さまの温かいご協力もあり、学生にとっても非常に実りのある学びの時間となりました。
さらに今回は、スタディツアーで交流した現地の大学生にもオンラインで特別出演いただき、ゾンカ語ミニ講座を実施しました。簡単な挨拶や日常のフレーズを紹介してもらい、ブータンの言語文化に触れられる貴重な時間となりました。会場からも積極的に反応をいただき、終始あたたかく和やかな雰囲気に包まれた講座となりました。
限られた時間ではありましたが、6月からの事前学習を含め5か月間の学びや気づきを可能な限り盛り込んだ、非常に内容の濃い発表となりました。当日ご来場いただいた皆さまに、心より感謝申し上げます。
徽音祭での発表が本スタディツアーの集大成となりましたが、参加する機会をいただけたことで、ブータンという国の魅力に深く触れることができました。現地調査を通じて、人々のあたたかさや文化への誇りを肌で感じ、その豊かさを多くの方に知っていただきたいという思いが一層強いものとなりました。また、現地で出会えた皆さんとのご縁をこれからも大切に、今後も国際交流に対して前向きな姿勢で居続けたいと思います。ご参加・ご協力いただいた皆さま、本当にありがとうございました。
(生活科学部人間生活学科4年 鮫島さくら子)
11月9日(日曜日)、共通講義棟1号館402号室にて、今年8月21日から29日にかけて実施された「国際共生社会論実習」に参加した学生5名が、調査研究の成果を発表しました。また、同棟403号室ではポスター展示も行いました。
発表内容は、カンボジアにおける主権者教育、結婚観、高等教育へのアクセスにおける地域・ジェンダー格差、海外からの支援、カンボジア社会とジェンダーなどについて、現地で実施したインタビュー調査をもとに考察したものです。現地でのインタビューは難しい場面もありましたが、全員が自分の調査結果を堂々と発表する姿を見て、現地調査を頑張ってよかったと改めて感じました。また、発表を通じて自らの調査内容や結果を見直す機会にもなり、自分の考えをさらに深めることができたと思います。
当日は現地で通訳を担当してくださったブティさんもオンラインで発表を聞いてくださいました。久しぶりにお話しすることができて私たち自身もとても嬉しく、楽しい時間となりました。
発表の際には、現地で訪問した幼稚園のスタッフの方からいただいたカンボジアの伝統的な布「クロマー」を身に着けて登壇しました。さらに、カンボジアの市場で購入した巻きズボンの着方を披露したり、スタディーツアーの写真をまとめたアルバムを展示したりすることで、ご来場の皆様にカンボジアの文化や魅力をより身近に感じていただけたと思います。カンボジアにはまだまだ多くの魅力があるので、ご来場くださった方々が少しでも関心を持ってくださっていれば嬉しいです。
事前学習から今回の発表まで、約半年間にわたり履修生5人と先生で共にカンボジアについて学んできました。渡航前は国境での紛争問題もあり、正直なところ不安の方が大きかったのですが、頼れる仲間の存在と私たちを支えてくださる先生のおかげで、最後まで充実した時間を過ごすことができました。仲間と共に議論し、学び、考えを深めたこの期間は、私の人生にとって非常に貴重な経験となりました。今回の経験や学び、そしてカンボジアへの関心をこれからも大切にし、新たな学びへとつなげていきたいと思います。
(生活科学部2年 奥みなみ )