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このカリキュラムは文部科学省「数理・データサイエンス・AI教育プログラム(リテラシーレベル)」として認定されました。
文部科学省「数理・データサイエンス・AI教育プログラム(リテラシーレベル)」の認定制度について(新しいウインドウが開きます)(新しいウインドウが開きます)
文部科学省への申請書(PDF形式 158キロバイト)
認定有効期限:令和8年3月31日まで
データサイエンスとは、データを処理し分析することで科学や社会に有益な新しい知見を引き出す学問や方法論の総称です。データサイエンスは統計的あるいは計算的(情報処理的)手法にもとづいてデータを分析する手法であると同時に、人間的視点や専門知識と照合しながら知見を引き出す手法でもあります。このことからデータサイエンスは、文系・理系を問わず幅広い学問領域において客観性の高い知見を見出す方法論であると同時に、卒業後多様な職種において業務上の問題解決の有用な方法論となり得ます。このような考え方から本カリキュラムでは、全ての学生が統計学や情報処理学の基礎的応用的な知識を修得し、それぞれの専門分野でデータを使いこなす人材になるための科目群を提供します。
このカリキュラムは、データサイエンスに関する開講科目を体系化しカリキュラム(科目群)として提示することにより、全学部の学生にデータサイエンスへの関心を喚起し、これに関心をもつ学生が学部・学科を超えて、学際的・系統的に履修することを目的としています。また文系・理系を問わず多様な分野で有用なスキルとなるデータサイエンスを全学的に普及することで、卒業研究や大学院進学後の研究においてデータにもとづいた客観的な研究手法を学ぶことができます。
必修科目群・基幹科目群・連携科目群で構成されます。
①必修科目「文理融合データサイエンスI」は、データサイエンスの核となる統計学や情報処理などの概要を平易に履修し、専門分野への応用例として人文学領域のデータ分析を体験する全学科目(コア科目)です。
②基幹科目群は、データサイエンスの基礎的なスキルとなる数学・情報処理・プログラミングなどに関するコア科目や全学共通科目で構成されます。また「文理融合データサイエンスII・III・IV」は、特に生活科学・社会科学を専攻する学生が卒業研究でデータを駆使するために必要な知識・スキルを修得する科目です。
③連携科目群は、各学術分野のデータ関連科目で構成されます。
- 社会科学・生活工学・理学などの各分野において、データを駆使した卒業研究を目指す学生は、連携科目群
に含まれる専門科目を主に履修しつつ、必要に応じて基幹科目群を履修することで学力を高める。
- 最先端の本格的なデータサイエンティストを志願する学生は、数学・情報系の科目を積極的に履修すること
で、データサイエンスの核となる分野での専門性を高める。
- 専門に関わる演習・実習科目を履修することで、データサイエンスとその活用についての実践的能力を高め
る。
必修科目群
【コア科目】
文理融合データサイエンスI(情報科目):必修
※ 履修指導により、データサイエンス(基礎)・(中級)・(上級)のうち1科目(2単位)の単位を修得している場合は、文理融合データサイエンスIの単位を修得(科目の振り替え)したものとして取り扱う。ただしデータサイエンス(基礎)で振り替えられるのは、文化情報工学主プログラム、人間環境工学主プログラム、文化情報工学学際プログラムの選択学生のみとする。
基幹科目群
【コア科目】計16科目
基礎線形代数学/基礎微分積分学/統計学(以上基礎講義)
情報科学(1)(2)/情報処理学(1)(2)/メディアリテラシ(1)(2)/プログラミング演習1,2/
情報学演習1,2/文理融合データサイエンスII・III・IV (以上情報科目)
【全学共通科目】計4科目
生命情報学概論(1)(2)/計算生物学(1)(2)
※以下の専門科目については、基幹科目群を履修したこととして取り扱う。ただし、履修主導により文理融合データサイエンスI・IIの代わりにデータサイエンス(基礎)・(中級)の単位を取得している場合は、基幹科目群の科目にてカウントしない。
線形代数学1/微分積分学1/数学物理学演習I・II/文化情報工学総論/データサイエンス(基礎)・(中級)・(上級)
連携科目群(専門科目)
人文・社会科学系 |
共創工学系 |
生命・物質科学系 |
数学・情報系 |
|
文教育学部 |
地理学分析基礎演習I・II* | |||
人間科学論 | ||||
現代社会論 |
||||
社会調査の設計と実施 |
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社会調査法* |
||||
学校社会学特殊講義 |
||||
教育社会学特殊講義 |
||||
理学部 |
物理実験学(1)(2) |
グラフ理論 |
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計算物理学講義・演習(1)(2) |
数理統計学 |
|||
実験値解析法 |
確率序論 |
|||
計算化学 |
データ構造とアルゴリズム |
|||
生物統計学 |
コンピュータシステム序論 |
|||
生命情報プログラミング演習 |
データ解析序論 |
|||
計算生物学 |
マルチメディア |
|||
情報理論 |
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情報と職業 |
||||
情報倫理 |
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環境情報論 |
||||
人工知能論 | ||||
自然言語論 | ||||
データベース設計論 | ||||
コンピュータビジョン | ||||
生活科学部 | 応用生活統計学(1)(2)* | 情報工学演習 (1)(2)* | BIM演習* | |
社会統計学I * | 計測工学* | デザイン工学演習(1)(2) * | ||
社会統計学II(1)(2)* | 人間工学* | 栄養疫学・統計** | ||
心理統計法(心理学統計法) | 環境評価学 | |||
生活調査法* | ||||
生活社会調査実習* | ||||
共創工学部 (理学部・生 活科学部に も関連科目 があるので 参照のこと) |
文化情報工学基礎演習*** | 人体計測学演習I | 材料設計演習 | 工学基礎数学 |
人体計測学演習II | 工学基礎解析学 | |||
環境心理と調査法 | 統計学演習 | |||
データ計測処理演習 | 応用データ解析 | |||
システム工学 | 機械学習 | |||
歴史情報学 | データマイニング | |||
歴史情報学演習 | 工学基礎数学 | |||
地理情報学 | 工学基礎解析学 | |||
地理情報学演習 | データ解析序論 | |||
言語情報学 | 統計学演習 | |||
言語情報学演習 | 応用統計学演習 | |||
文化情報学 | 文化情報デザイン演習 | |||
文化情報学演習 | データベース設計演習 | |||
思想情報学 | データマイニング演習 | |||
思想情報学演習 | データベース研究 | |||
芸術情報学 | 文化情報デザイン研究 | |||
芸術情報学演習 | 文化情報CGV研究 | |||
文化情報工学総論 | 文化情報統計数理研究 | |||
文化情報学研究 | ||||
テキストアナリティクス研究 |
*演習・実習科目(履修の都合上、受講者数を制限する場合があります。)
**食物栄養学科に在籍する学生のみ履修可能
***文化情報学基礎演習は全学データサイエンス学際カリキュラムの科目としては文化情報工学科に在籍する学生のみ履修可能
科目群から一定の科目数(単位)を修得し、履修証明申請を申し出た学生には、修了時に履修証明書を授与します。修了要件は、以下の3段階となります。
・文理融合データサイエンスI(必修科目)+基幹科目・連携科目のうち2単位修得した場合、全学データサイエンス学際カリキュラム・ブロンズレベルとして認定
・文理融合データサイエンスI(必修科目)+基幹科目・連携科目のうち8単位修得した場合、全学データサイエンス学際カリキュラム・シルバーレベルとして認定
・文理融合データサイエンスI(必修科目)+基幹科目・連携科目のうち18単位修得した場合、全学データサイエンス学際カリキュラム・ゴールドレベルとして認定
令和6年度開講科目シラバスのリンク
令和5年度開講科目シラバスのリンク
令和4年度開講科目シラバスのリンク
令和3年度開講科目シラバスのリンク
令和2年度開講科目シラバスのリンク
科目群から一定の科目数を履修し、履修証明申請を申し出た学生には、修了時に履修証明書を授与し、成績証明書 に記載されます。
修了要件は、以下の3段階となります。
各授業科目の授業の方法及び内容等の詳細についてはシラバスを参照のこと。
https://tw.ao.ocha.ac.jp/Syllabus/index.cfm
【このカリキュラムにより身に付けることができる能力】
全ての学生が統計学や情報処理学の基礎的応用的な知識を習得し、文系・理系を問わず幅広い学問領域において客観性の高い知見を見出す方法論と、卒業後多様な職種において業務上の問題解決のための有用な方法論を身に付けることができる。
【カリキュラムの運営実施体制】
本学では令和元年度に既存組織のシミュレーション科学・生命情報学教育研究センターを改組し文理融合AI・データサイエンスセンターを設立した。本センターは数理・データサイエンス・AIの全学的な研究教育の促進を目的としてこれから本格到来するSociety5.0、AI.IoT時代における数理・データサイエンスへの処理能力を備えた人材育成が可能な教育研究を推進するための組織であり、カリキュラムの運営実施も本センターが主体となって行う。
文理融合AI・データサイエンスセンター長
伊 藤 貴 之
本学は平成30年12月に数理・データサイエンス教育強化拠点コンソーシアム(拠点校:東京大学)の協力校として選定され、数理及びデータサイエンスに係る教育強化・教育改革に取り組んできた。令和4年度からは「データサイエンスを駆使する人文系女性リーダーの育成プログラム」が文部科学省「数理・データサイエンス・AI教育の全国展開の推進」の特定分野校に選定され、引き続き教育改革を推進している。
平成30年度
カリキュラムの改正に着手し文理融合データサイエンスI・II(必修科目)の開設準備を行った。
令和元年度
文理融合データサイエンスIの履修者は58人であった。
また、年度末に全学データサイエンス学際カリキュラム 開設の準備を行った。
令和2年度
全学データサイエンス学際カリキュラム を開設し全学に向け数理データサイエンス教育を普及させる教育プログラムとした。
文理融合データサイエンスI・IIの履修者数はそれぞれ61人・24人と推移しており令和3年度末には最初の修了者の輩出が見込まれ、数理・データサイエンスにかかる教育強化は順調に進捗していると総括する。
令和3年度
全学データサイエンス学際カリキュラムは、8月に文部科学省の数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度のリテラシーレベルに認定された。
令和3年度の全学データサイエンス学際カリキュラムの履修者数は41人であり、そのうち4人が修了レポートを提出し、カリキュラム修了者として認定した。カリキュラム必修科目である文理融合データサイエンスI・IIの履修者数はそれぞれ112人・31人であり、特にIの履修者がほぼ倍増となっており、学生の数理・データサイエンス関連科目への興味が着実に増加していることがうかがえる。必修科目の履修者数が増えていることから、令和4年度以降のカリキュラム修了者も着実に増加していくことが見込まれる。
令和3年度必修科目の学生評価を踏まえた自己点検
令和3年度必修科目の学生評価を踏まえた自己点検(PDF形式 98キロバイト)
令和4年度
令和4年度の全学データサイエンス学際カリキュラムの履修者数は63人であり、そのうち14人をカリキュラム修了者として認定した。
カリキュラム必修科目である文理融合データサイエンスI・IIの履修者数はそれぞれ90人・32人であり、引き続き学生の数理・データサイエンス関連科目への興味が高いことがうかがえる。
「共創工学部 文化情報工学科」(令和6年度設置予定)が開講する科目のうち、令和4年度に「文化情報工学総論」「データサイエンス(基礎)」を先行開講した。「文化情報工学総論」では令和6年度に共創工学部に異動する予定の文教育学部の複数の教員が中心となって開講されたオムニバス科目であり、情報技術を導入することで人文学を新しい観点でとらえ深める方法について、人文学の多種多様な学術分野から事例を示す科目である。履修者数は90人であった。「データサイエンス(基礎)」はデータサイエンスの概念および基礎手法(推定・検定・回帰分析・判別分析など)を修得する科目であり、履修者数は39人であった。これらの科目の開講に加えて、令和5年度に先行開講する「データサイエンス(中級)(上級)」および「インターネット学」の開講準備を進めた。
以上のデータサイエンス関連科目および全学的なAI・データサイエンスの教育研究環境の基盤環境を提供する目的で、高速コンピュータ茶園の運用と、数値計算ソフトウェアMATLABの全学展開を進めた。茶園を利用することで令和4年度に査読付き学術論文が2報発表できた。またMATLABについてはセミナーを7回開催し、のべ55人の参加があった。これらの運用のために学生のチームを構成し、学生主体で活用することで、データサイエンスインフラストラクチャーの運用トレーニングを実施するなど、AI・データサイエンス教育の裾野と基盤環境を整備することができたと総括する。
令和4年度必修科目の学生評価を踏まえた自己点検
令和4年度必修科目の学生評価を踏まえた自己点検(PDF形式 60キロバイト)
このカリキュラムは文部科学省「数理・データサイエンス・AI教育プログラム(応用数理レベル)」として認定されました。
文部科学省「数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度について」
文部科学省への申請書.pdf(新しいウインドウが開きます)(新しいウインドウが開きます)
文部科学省への申請書(PDF形式 4,517キロバイト)
認定有効期限:令和11年3月31日まで
令和5年度
カリキュラムの構成科目の整備と数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度・応用基礎レベルへの申請を並行して行うなど模索した年であったが、カリキュラムの基本的なコンセプトを固めることはできた。次年度は履修者拡大に向け更なる学内広報を展開したいと考える。