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研究所の概要

2022年9月8日更新

コンピテンシー育成開発研究所

本学では、国立大学法人化に際し、本学独自のミッション「学ぶ意欲のあるすべての女性にとって、 真摯な夢の実現の場として存在する」を掲げ、これまで多様な「グローバル女性リーダー」の育成・輩出を推進して参りました。第4期中期目標期間においても、新たなミッション「世界の人々と協働し、生涯にわたりより良い未来の創造に向けた変革を起こすグローバル女性リーダーの育成」を掲げております。また、ポストコロナやDXなどのニューノーマル時代においては、AIによって代替されうる個々の知ではなく、それをいかに統合して社会の場で展開できるかが問われております。

そのため、「教養知と専門知に実践知を結びつけるコンピテンシー(※)を育成し、それらを実装する総合知によって社会を革新する人材を養成する」「大学入学前からの総合知育成モデルを探求する」ことも新たなミッションとし、学長のリーダーシップの下、この実現に向けて全学を挙げて取り組んで参ります。

この取組の一環として、令和4年度に『総合知開発研究機構』を設け、その下に『コンピテンシー育成開発研究所』を開設する運びとなりました。これにより、本学におけるコンピテンシーをベースとした教育改革を主導し、本学からコンピテンシーと総合知を持ったグローバル女性リーダーを輩出しようとするとともに、コンピテンシーの測定、教育手法や効果、教育モデルなどに関して研究を進めて参ります。特に本研究所は、附属学校園と連携した研究により、幼児期から大学生期に至るまでの段階的教育モデルなどを開発し、その知見によって大学のみならず、高等学校までの教育課程における教育改革に資することも企図しております。

坂元先生

コンピテンシー育成開発研究所長
坂元 章

コンピテンシーとは何か

近年では世界的に、従来の学問中心の教育から、コンピテンシーの育成を重視したコンピテンシー・ベース教育への移行が見られています。コンピテンシーとは、多様な捉え方がなされていますが、概ね、社会的な場において実際的な成果を上げる資質を意味するものと言えます。具体的には、例えば、動機付け、自主性、協働性、コミュニケーション能力、創造性、問題解決能力などが含まれうるものとなります。

教育に影響を与えた代表的な動向としては、2003年にOECD(経済協力開発機構)から出された「コンピテンシーの定義と選択」プログラムの報告があります。ここでは、とくに重要なコンピテンシーをキー・コンピテンシーと呼び、それを「特定の状況の中で(技能や態度を含む)心理社会的な資源を引き出し、動員することにより複雑な需要に応じる能力」と総括しています。OECDは、このキー・コンピテンシーとして、3つのカテゴリー(道具の相互作用的利用、異質な集団での交流、自律的な行動)とそれに含まれる9つのコンピテンシーを提示しています。

本学におけるコンピテンシーの位置づけ

本学では、従来から教養知と専門知からなる学芸知と、実践知のそれぞれを育成してきましたが、こうしたコンピテンシーに関する動向を踏まえ、コンピテンシーを、これらを結びつけて総合知に帰結させる機能を持つものとして捉えて、「課題を発見し知識やスキルを状況に応じて組み合わせるなどして、社会の場で成果をあげる包括的能力とその行動特性」としています。なお、総合知は、第6期科学技術・イノベーション基本計画(令和3年3月26日)では、基本的に理系知と文系知の総合を含意するのに対し、本学のものは、より広範な内容をカバーするものとなっています。
コンピテンシーの位置づけ

お茶大コンピテンシー10

お茶の水女子大学では学生に在学中に高めて欲しいコンピテンシーをお茶大コンピテンシー10として設定しています(詳しくはこちら)。学部及び大学院のシラバスにその授業で伸ばしうるコンピテンシーを明示し、授業におけるコンピテンシーの育成に力を入れています。また附属学校園と連携して大学教育と接続する各コンピテンシーの段階的育成モデル等の研究を進めています。

区分

コンピテンシー名

概要

新たな価値を創造する力

批判的思考力

自分の意見や考えを、意識的に見直す力

自分の意見とは違う様々な意見を検討したり、意見に確かな根拠があるかを考える力

創造的思考力

新たな価値や優れた考えを生み出す力

協働力

個人では得がたい成果をグループ全体で得るために、役割分担したり、助け合ったりする力

対立やジレンマに対処する力

問題解決力

実際に起きた問題で、解決の道筋が明らかでないものを改善・解決できる力

他者理解力

様々な他者の立場や考え方などを推測したり、理解する力

対人葛藤解決力

他者との意見や価値観の対立を解決する力

責任ある行動をとる力

省察的思考力

自らの活動を振り返って気づきを得る力

内的統制感

自分自身の行動がある成果や結果をもたらすという期待。自分でもがんばれば、様々な成果が得られるという感覚を持つこと。

自己制御力

望ましい目標を追求し、望ましくない目標追求を抑制する力

エージェンシー

社会に望ましい変化をおこすために、自分で目標を設定し、振り返り、責任をもって行動する力

運営体制

コンピテンシー育成開発研究所は以下4つの部門を設置し、活動しています。

実践支援部門

基礎研究の知見等を踏まえた実践の推進や、知見の普及等に関する取組を行う。

総合知教育改革部門

大学教育におけるコンピテンシーに関する教育手法の導入と実施、授業の改善、可視化システムの構築と運用を行う。

学校教育改革部門

附属学校園におけるコンピテンシーに関する教育手法の導入と実施、授業研究、教材開発、段階的教育モデルの策定を行う。

比較日本学教育研究部門

日本研究に関する国際的学術ネットワークの構築を行いながら、比較日本学研究の教育利用を探る。

コンピテンシー育成開発研究所 比較日本学教育研究部門

コンピテンシー育成開発研究所の部門構成

 画像

研究所構成員

研究所長 教授

坂元 章

副所長 教授 山田 美穂
副所長 教授 高橋 哲
副所長 特任准教授 山岸 由紀

総合知教育改革部門 

教員 教授 山田 美穂
教授 高橋 哲
准教授 埋忠 美沙
特任准教授 山岸 由紀
研究員 教授 飯田 薫子
教授 浅田 徹
教授 大瀧 雅寛
教授 長澤 夏子
教授 西村 純子
教授 小林 誠
教授 萩田 真理子
教授 服田 昌之
教授 赤松 利恵
教授 森 義仁
教授 淺井   健一
教授 長谷川 直子
准教授 荒木 美奈子
准教授 佐藤 敦子
准教授 河合 英徳
准教授 脇田 彩
講師 佐藤 瑶子

実践支援部門

教員 教授 高橋 哲 
特任准教授 山岸 由紀
特任講師 ゲルゲル クラウディア
特任助教 秋山 久美子
研究員 准教授 伊藤 大幸
准教授 齊藤 彩
准教授 辻谷 真知子

学校教育改革部門 

教員 教授 山田  美穂
特任助教 押尾 恵吾
研究員 教授 池田 全之
教授 上原 泉
教授 冨士原 紀絵
准教授 平野 真理
准教授 岡  千春
准教授 武藤 世良
講師 土田 修平
講師 王 一瓊
連携研究員 附属幼稚園 教諭 灰谷  知子
附属小学校 教諭 江部  紀美子
附属小学校 教諭 岡田 博元
附属中学校 教諭 林 多恵子
附属中学校 教諭 森  祐樹
附属高等学校 教諭 沼畑 早苗
附属高等学校 教諭 丸山 実花

比較日本学教育研究部門 

本部門の構成員はこちらよりご参照ください→https://www.cf.ocha.ac.jp/ccjs/j/menu/projects/index.html

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