研究所紹介リーダーシップ教育研究ダイバーシティ推進イベント刊行物研究所へお問合せ

ページの本文です。

IGLセミナー「Gender diversity in Japan and beyond 日本および世界におけるジェンダー・ダイバーシティ」開催報告

2023年11月21日更新

フランス氏は米国、ノルウェー、南アフリカ、日本と、複数の国をフィールドに多様な性について考察を行っており、抑圧や葛藤ということで語られがちであるLGBTQのポジティビティに着目しています。セミナーの冒頭では、ジェンダー・ダイバーシティという言葉のなかには実に多様なアイデンティを持つ人々が存在していることを指摘し、具体的な例をあげて説明がなされました。またトランスジェンダーにまつわるmyth(誤解)についても言及し、性自認、性的指向、身体の性が組み合わさりグラデーションがあること、トランスジェンダーの社会での捉えられ方や受容が文化によって異なることを示しました。欧米やアジアでは異なるジェンダー規範(男性性や女性性に関するステレオタイプなど)が存在しており、トランスジェンダーの議論はその捉え返しに寄与することも示唆されました。
質疑応答では、参加した学生から、他者からジェンダーに関して偏見に満ちた言葉を浴びせられたことがあり、その場では適切な対応がとれなかったいう経験が共有され、そうした場面ではどう対処すべきだったのかという質問がなされました。フランス氏は参加した学生の気持ちに寄り添いつつ、そうした言動は本人が無自覚に発していることも多いのでまずはそのことに気づかせることが必要であると返答しました。多様な性をトランスナショナルな現象として捉えることで参加者も新たな発見を得ることができました。

フランス氏

文責:岡村利恵 (グローバルリーダーシップ研究所 特任講師)

  •  
  • このエントリーをはてなブックマークに追加