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成長できる機会を自ら求め、キャリアを築く

2017年5月17日更新


菅 理恵子さん
日産自動車株式会社グローバル情報システム本部IS 企画統括部 課長代理 1999 年お茶の水女子大学文教育学部卒業。
同年i 2 テクノロジーズ・ジャパン株式会社入社。
コンサルティング部にて大手製造業数社のシステムコンサルティングに従事。2003年べリングポイント株式会社入社。サプライチェーンマネジメント部にて大手製造業数社のシステムコンサルティング、人事部にて社員教育の企画・運営を行う。2008 年10 月日産自動車入社。

生涯ひとつの会社に勤め続けるより、自らの可能性を求めて、さまざまな組織でキャリアを積みたい ― 労働環境の変化に伴い、そんな働き方が増えている。新卒で小さな外資系IT企業に飛び込み、独力で英語力を磨きながらキャリアの節目をデザインしてきた菅理恵子さんを、日産自動車、横浜のグローバル本社にお訪ねした。

人にかかわる仕事を夢に

「人事の仕事は天職。ずっと続けていきたい」と語る菅さんは、日産自動車で国内のIS(情報システム)部門の人事採用・評価・異動を担当している。米系コンサルタント会社2社を経た後、2008年に転職した。女性活用に積極的でさまざまな支援制度を整備している日産に憧れ、面接を受けた。「2年間は人事のポストは空かないかもしれません」という状況を承知のうえで、経験のある情報システムプロジェクトマネジメント職で採用される。半年後、幸運なことに人事に空席ができた。
それから3年。現在、菅さんは課長代理として、本社の人事部と連携しながら、IS業務に携わる300人のキャリアパスをグローバルな視点で見ている。「入社後の半年間、実務の現場を経験したからこそ、働く人の思いや課題を組織の中に活かせる」と、振り返る。元々、前職で企業に対しITコンサルティングをする中で、「人材を育成する体制がなければ、どんなに優れたシステムを構築しても、絵に描いた餅」と、人材育成の必要性を痛感したことが、菅さんの「人にかかわる仕事」への出発点だった。

会社は規模や知名度より、働く人の顔

鹿児島の名門県立校、鶴丸高校時代の菅さんは、受験を控えて心が揺れていた。医者になって人を助ける仕事に就くか、文学の道に進んで作家をめざすか。最終的にお茶大の国文科※を選んだ。幼い頃、父からよく聞いた「お茶大に憧れていた祖母」の話がよみがえった。
卒業時の就職事情は厳しく、出版社を受けるも狭き門。やっと企業の出版部門から内定をもらった。「就活」は終わった筈の秋、社員が40名という米系のITコンサルタント会社のセミナー案内をたまたま手にする。日本上陸を果たしたばかりの会社でイキイキと働く社員の姿に惹かれ、180度の転換で道を変えた。初の新卒採用で同期は5名。全員が女性だった。5年後、200人に増えた会社を後に、規模も業態も数倍大きな米系戦略コンサルティングファームで新しいチャレンジをめざす菅さんがいた。最初の1年間はITシステムコンサルタントとして働いたが、やがて、結婚を機に、時間の余裕がある職種へ、また「人にかかわりたい」という思いに押されて異動を申し出る。人事部では社内研修プログラムの企画・運営に通算4年携わり、仕事の幅を広げた。

職場は人生の出会いの場

大学時代、テニスサークルの活動を通して仲間との絆の大切さを学んだ。最初の職場では、帰国子女たちに混じって慣れない英語漬けの環境のなか、職場内実地訓練(OJT)で、やったこともない仕事をいきなり割り振られてうろたえた。同期5人で互いに助け合いながらサバイバルし、成長した。その頃の同僚たちとは、今でもよく会う。「仕事をすることは、社会への貢献でもあると同時に、人生の大切な出会いを創ること」と、菅さんは言う。好きな言葉は「一期一会」だ。医者になって人を助けたいという夢は果たせなかったが、「人の育成」という天職に出会った。成長の機会を求めてキャリアを自分で切り拓きながら、一人ひとりとの出会いがいろいろなところで輪のように繋がっていると実感している。「優秀な女性はどこの会社でも欲しい。お茶大生なら、期待に応えられる筈。社会の状況にとらわれず自分のやりたいことを見つけ、それが実現できそうな企業に飛び込んで欲しい。何をやりたいのか、その思いをうまく伝えられれば、応募者のなかできらりと光る」とは、採用の現場で働く菅さんから、お茶大生へのアドバイスだ。
文責:坪田秀子(学長特命補佐)

わたしのオフタイム

旅が好き。大学時代から海外に出かけ、今でも年に一回は海外旅行を楽しむ。いつか外国に住んでみたいとも思う。大学時代の一番の思い出も国文科※の卒業旅行だ。自分たちでコースを練り、秋の京都・奈良路を恩師たちと歩いた。週末は、気になったお店を訪ねて食べ歩きで過ごすことも。

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