平成22年度は、学際生命科学東京コンソーシアム(※)より講師の派遣等の協力を得て、幅広い専門性を生かして実施した。また昨年度に要望が多かった中学で学習する内容との直接的な関連を意識し、聴覚の実験コンテンツを開発した。すべての中学校で実施した聴覚と骨伝導の実験だけでなく、一部の学校では、音や電気の単元の発展的内容を行った。
生徒のアンケート結果からは、「学習内容に興味を持った」「学習活動に達成感を得られた」の質問に7割近くの生徒が「大変そう思う」「少しそう思う」と回答した。また「自分からすすんで学習に参加することができた」「学んだことをさらに詳しく調べたい」などの項目で、ふだんの理科への取り組みとくらべ、意識の上昇がみられた。大学教員からの研究内容を盛り込んだ講義を行った学校では、将来や進路の意識付けになった、とみられるコメントも得られた。
教員アンケートの結果からは「出前授業の内容は期待通りだった」「取り組み自体に満足した」の質問で「大変そう思う」「少しそう思う」あわせると100%と大変高い評価を得た。また今年度とくに意識をした、教科書単元との関連に言及したコメントもあった。各校で行った打ち合わせでも簡単な装置で発展的な内容の実験ができるため、今後授業に取り入れたい、との声もいただいた。 実施期間は平成23年12月から平成23年3月の約3ヶ月間。
※ 学際生命科学東京コンソーシアム先端的な学問は、異なる研究領域の最前線がぶつかり合う学際分野で生まれることが多く、21世紀は生命科学の世紀と称されている。この学際生命科学の分野における教育の充実と研究の推進を基本理念に据え、東京医科歯科大学、お茶の水女子大学、学習院大学及び北里大学が連携し、「学際生命科学東京コンソーシアム」を設立した。
コンソーシアムの掲げる「教育高度化」「産学地域連携」「学生支援」の3つの事業のうち、産学地域連携事業(理科教育)の一環として、お茶の水女子大学サイエンス&エデュケーションセンターと協力して当事業を行った。学際生命科学東京コンソーシアム 参考URL:http://gks.tmd.ac.jp/