東日本大震災の被災地では、津波によって、いくつかの小学校・中学校では校舎が壊滅的な打撃を受け、校舎だけでなく、備品や教材・教具もすべて失われてしまいました(岩手県では小学校で14校、中学校10校)。失われた校舎については、仮設校舎を建築したり、津波の影響を受けていない近隣の学校(施設)の空き教室(部屋)に間借りするなどして、おおむね授業は再開されています。しかし、全ての授業が通常通り実施できているわけではありません。特に、理科の観察・実験が全くできていない学校が多いのです。
その理由として、仮設学校に、1)理科室がない、または不足している。2)理科の教材・教具がない、または不足している、の2点が上げられます。また、津波の被害がない学校でも、漁業などで生計を立てていた保護者が困窮しており、安価な実験キットでさえ購入できない状況が明らかになっています。
そこで当センターでは、地震と津波で被災した岩手県の小・中学校の理科教育を支援しています。支援内容は
1)必要な消耗品等の緊急支援
2)狭い教室や理科室がない仮設学校でも観察・実験できる教材・教具の開発と送付
3)送付した教材・教具を授業で活用できるようにするための教員研修
4)ネットワークを利用した遠隔地教員研修
です。