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理数系教員養成拠点構築事業
(CST養成コース)
◆平成22年度CST研修活動

講座紹介レポート

 

 



江東区におけるCST研修

 

2010年6月2日(水曜)、江東区の川原哲郎CST教員が実施して下さったCST教員研修を視察しました。実施場所は江東区立南陽小学校の理科室です。南陽小学校は地下鉄南北線・東陽町駅から徒歩10分程、都心ですが幹線から路地を隔てた静かな立地です。

 

本日の研修

今回のCST研修は、江東区・区小研理科部との共催で、「理科実技研修会」として実施されました。江東区ではCST研修を独立に位置付けて実施するのではなく、今回のように、区小研との共催として行うことになります。

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また、江東区の理数教育支援拠点は研修センターですが、江東区の理科部教員研修で教員研修センターが使われることは少ないようです。毎回、南陽小学校というわけではなく、前回は川原先生がご所属の数矢小学校、次回はまた別の小学校と、いくつかの小学校が巡回で使われるようです。

今回の参加者は計46名。区内の希望者で、特に限定はしていないようです。川原先生のお話では、毎回固定メンバーというわけではないものの、ほぼ固定だそうです。その他、「科学教育専門員」が3名ほど、指導員として参加されています。彼らは江東区内42校を悉皆で研修しているとのことです。

まず、共催の区小研理科部からお越しになった村上先生(明治小学校)が、地層の出来かた、ボーリング試料の使い方などを説明されました。続いて、川原先生の登場です。川原先生の講義内容は「顕微鏡の使い方」「気体検知管の使用法」「脈拍計の使い方」の3つ、詳しくは次の通りです。

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【顕微鏡の使い方(生物顕微鏡、実体顕微鏡)】

顕微鏡を壊さないために注意すること、汚れた時の清掃方法、観察時のコツについての説明をなさいました。材料は、メダカ幼生、青虫、ミョウバン結晶、花粉などです。

メダカ幼生の観察は、川原先生が面白い方法を紹介されていました。メダカ卵を採集し、チャック付き袋(5cm角程度)に水と共に入れます。これを教室後ろに、児童ひとりずつ、自分のものとして画鋲で貼っておきます。こうすれば、児童はこれを好きなときに取り外して観察できるので、自分のメダカとして愛着を持って観察することができます。

ミョウバン結晶の生長を顕微鏡観察するというのはCST養成コースでお伝えした内容です。ミョウバン溶液が蒸発して結晶が次々と現れ、成長する様子が眼前で繰り広げられ、参加者の間から「すごい!」「綺麗!」という声が沸きあがっていました。

また、花粉の観察では、多くの人が校庭の花の花粉を、画用紙を使ったプレパラートで観察していました。水中の微生物では、ミジンコ、コロボックス、ミドリムシ等を川原先生が用意していました。初めて観察するというという先生も多いようです。微生物の観察は子どもにも人気がありますが、大人が見ても面白いものです。その他にも、鉱物やアゲハチョウの幼虫の観察などもおこないました。

 

【気体検知管】

これは企業が来場して、検知管を自由に触れるよう展示していました。気体検知管を使った経験のあるのは参加者の3割程度のようです。検知管には「ガステック式」と「北川式」があり、CST養成コースではガステック式を用いましたが、今回は北川式の説明です。

 

【脈拍計の使い方】

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脈拍計の紹介、簡単な使い方の説明でした。

参加者はそれぞれ、顕微鏡、気体検知管あるいは脈拍計と、自分の学びたい教具のところに集まり、実際の操作やさらに詳しい説明を川原先生あるいは科学教育専門員がしていました。人気なのは顕微鏡で、川原先生の説明も顕微鏡が中心でした。実際に操作してみせたり、観察されたものが何かを説明したり、机間指導に忙しく立ち回っていました。

 

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なお、今回の研究にはお茶大から送付したCST教材パッケージは用いていません。パッケージは研修センターで管理しておりますが、センターからパッケージを運び出す際の交通費、運搬費をどうするかが今後考えなければならない問題です。また、CST養成コースで用いたテキストは、そのままでは使用はせず、多少内容を変えたり、要点を抽出するなどして、研修資料の素材として用いています。

それから、消耗品、特に気体検知管などはすぐになくなってしまい、新たに買い足して補充しなければなりません。その費用をどう賄うか。これも、今後解決しなければならない問題です。

 

それでは、川原先生、今後ともよろしくお願いします。研修どうもありがとうございました!

 

 

(文責 / 担当講師 垣内)

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文京区におけるCST研修

 

2010年6月4日(金曜)、文京区の千駄木小学校で開催されたCST研修を視察に伺いました。千駄木の静謐な住宅街の中にある小学校です。近くにはファーブル昆虫館もあります。本日の担当は川浦孝彦CST教員です。

 

本日の研修

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文京区では、すでに実施されている教員研修(区小研など)との合同開催ではなく、新たな位置づけとしてCST教員研修会を開催しています。年間3回の開催を予定しており、研修内容はこれまでに実施した教員研修でのニーズ調査をもとに、川浦先生と船尾聖校長先生が相談して決めたものです。船尾先生は全小理、都小理の会長も兼務なさっています。

本日は記念すべき第1回ということで、研修に先立ってCST認定証の授与式がおこなわれました。僭越ながら垣内より認定証を授与させて頂きました。川浦先生、これからどうぞよろしくお願いします!

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まず最初に船尾先生から、CST事業の位置づけや意義などについてご説明をいただきました。開催にあたっては区研修センターの全面的なバックアップが得られており、センター所属の「科学教室指導員」が3名、指導にあたって下さいます。文京区からも井上大輔指導主事がお越しになっています。とてもしっかりとした運営、制度設計をして下さっていると感じます。

いよいよ教員研修です。本日は、顕微鏡の使い方の説明です。今回、文京区では新たに顕微鏡用LED照明装置を購入したので、その使用法や注意点を合わせて解説しながら、顕微鏡の管理や操作で全般的に注意すべきことを川浦先生が解説していきます。

今回の参加者は21名。文京区内の小学校全20校から理科部主任が参加、ということですが、実際には主任になる前の若手も多数参加されています。ちなみに川浦先生は理科部の部長をされています。

材料は「水の中の生物」「花粉」「水の通り道」の観察です。水の中の生物として、研修センターからミジンコをお持ちくださったそうです。

なお、今回の研修ではCSTパッケージを用いませんでしたが、研修の最後、川浦先生のほうからCSTパッケージの説明がありました。

また、CST専属理科支援員さんが手際よくサポートをして下さっており、研修全体の進行はとてもスムースでした。ちなみに支援員さんはCST研修以外でも来られており、文京区予算で対応しているそうです。文京区では区内の20校すべてに理科支援員を配置しているそうです(主として6年生を担当)。

 

それでは川浦先生、どうもありがとうございました!

 

 

(文責/担当講師 垣内)

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渋谷区におけるCST研修

 

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2010年6月16日(水曜)、渋谷区の渋谷区立常盤松小学校で開催されたCST研修を視察しました。常磐松小学校は渋谷駅からほど近く、まさに都心の小学校です。昨年10月に開催された全国小学校理科大会の研究発表校のひとつでもあり、また世界中から多数の視察がある伝統ある小学校です。

今回は、常磐松小学校にご所属の大橋美千子CST教員、水野佑美CST教員、そして区内笹塚小学校から山田万希子CST教員も参加されました。さらにCST受講者の後藤勝洋先生も参加です。計4名、豪華な顔ぶれでのCST研修会となりました。

 

本日の研修

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渋教研理科部6月会との合同開催で「CST研修での研修報告および実験実習」として開催されました。受講者は渋教研理科部の部員20名程です。常盤松小学校長・梅原文雄先生、渋谷区教委指導主事・山本真先生も参加され、それから渋谷区猿楽小学校長の森富子先生が参加されました。森先生は前・常盤松小学校長であり、渋谷区の理科担当校長であると同時に渋教研理科部の部長もなさってています。

本日の内容は2部同時進行で、中学年部対象の「空気と水の性質」と高学年部対象の「手回し発電機を用いた様々な実験」です。中学年部は山田先生が主担当、高学年部は水野先生と大橋先生が主担当となり、後藤先生は補助講師としてふたつの研修をサポートしていました。参加者はどちらも10名程度、ほぼ半分ずつに分かれました。

「空気と水の性質」では、ぽんぽん船を作成しました。ぽんぽん船の作成はCST養成コースで紹介した内容です。養成コースで紹介した通りの内容で、テキストも養成コースのものを使用して研修してくださいました。

ぽんぽん船を作るのは初めての参加者が殆どでしたが、山田先生が要点をついて説明をしたこともあり、ほぼ全ての人が無事に船を走らせることができました。しかし、ただ走るだけでは物足らず、より勢いよく進ませるために改良を試みたり、「なぜこんな単純な構造で船が進むのか?」を熱心に尋ねたりと、実に活発な研修でした。

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いっぽう、高学年部の手回し発電機を用いた実験では、「手回し発電機を回して電気をつけてみましょう」「手回し発電機を回して発熱させてみましょう」「手回し発電機を2つ使用して実験してみましょう」と、3つの実験を行いました。

まず、CST養成コースで行なったように、それぞれの実験に先立って参加者が班に分かれてグループディスカッションをおこない、実験で予想される結果などをあらかじめ発表しました。参加者は熱心に議論しており、参加者の主体性や問題意識を高めるのにやはりグループディスカッションは効果があるようです。

ディスカッションの後は実験です。それぞれのテーマで、電球とLEDの発光効率の違い、電球1個と2個での発光の違い、ニクロム線の発熱、ゼネコン同士の連結など、様々な実験をおこないました。実験の後で再びディスカッションと意見発表をおこない、実験で確かめられたことを互いに確認しあいました。

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今回の研修ではCST養成コースで用いたコンテンツを使用しており、CSTパッケージは、今回使用しなかったものも含めて理科室の後ろに並べて紹介されていました。パッケージはすべて常盤松小学校に配置されています。使用単元名を明記して保管・管理しています。パッケージ一覧は教員にも配布しているそうです。実習に先立ち、参加者がパッケージ内容を確認していました。

テキストも、CST養成コースでご紹介したテキスト現物を教室後ろに並べて紹介され、講義のなかでも紹介されました。必要箇所を印刷して使用しているそうです。ただし今回の講義には使用されず、CST教員の先生方が渋教研理科部にて作成されたテキストが用いられました。

 

先生方、CST研修をどうもありがとうございました!

 

 

(文責/担当講師 垣内)

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東大和市におけるCST研修

 

2010年6月8日(火曜)、東大和市の東大和市立第一小学校で開催されたCST研修を視察に伺いました。都心から、電車やモノレールを乗り継いで1時間余り。静かな校外に立地した小学校です。近くには多摩湖もあります。本日のご担当は、第一小学校の池守俊明CST教員です。

 

本日の研修

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本日の研修は、第一小学校の校内研修に位置付けたCST研修です。東大和市では、市教研がおこなっている年10回の理科部会の他に、各校がそれぞれ校内研修を行なっています。第一小学校ではこれを「OJT研修」と銘打ち、教員の資質向上に役立てています(理科以外の教科も対象)。佐藤孝校長先生のお話では、CST研修は他の教員研修との合同ではなく新たな研修会として位置付けているそうですが、今回は第1回ということもあり、OJT研修との合同開催となりました。いずれ、他校の教員も参加できるように整えたいとのことです。東大和市には全10校の小学校がありますが、比較的小さな市なので、佐藤先生によると自転車で10分ほどで集まることができるそうです。

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さて、本日の「OJT理科実技研修会」。第一小学校にご所属の先生方のうち、理科担当の全教員23名が参加しました。佐藤孝校長先生も参加されました。内容は、手回し発電機の使い方、LEDの使い方、電解コンデンサーの使い方です。発電機を回す方向に注意すること、LEDや電解コンデンサーには極性があること、LEDでも過電流を流すと切れること、電解コンデンサーも容量を超えて蓄電すると危険なこと…いずれの教具も、初めて手にする教員も多いようで、池守先生の講義に熱心に耳を傾けていました。

 

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教具にはCST養成コースでお茶大から送付したパッケージが用いられました。また、テキストも養成コースで配布したものの一部をコピーして使ってくださいました。活用してくださるのは嬉しい限りです。

 

それでは池守先生、どうもありがとうございました!

 

 

(文責/担当講師 垣内)

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