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理数系教員養成拠点構築事業
(CST養成コース)
◆講座紹介レポート
<5.教職インターンシップ>

講座紹介レポート

 

教職インターンシップ

 

2010年11月9日(火曜)、北区・滝野川小学校にて、理科授業、理科室整備、校務分掌のことを教わりました。受講者は計3名です。

まず、メンター教員の渥美先生による理科授業の見学です。今日の授業内容は小学校5年生の「流れる水の働き」です。児童は、流れる水の持つ、侵食、運搬、堆積の3つの作用を学びます。どのような実験をすればこれらを示すことが出来るのか。実験方法や内容について児童同士で相談して決めました(前回の授業)。今日の授業では、実験を実際におこなって確かめます。

student_internship01.jpg授業が始まりました。まず、前回のおさらいということで、試したい実験の内容を児童が説明しました。児童は4-5人ずつ全6班に分かれています。各班を代表して1名が黒板に立ち、説明するのですが、説明が不十分だったり不明瞭だったりした際には、すぐに渥美先生が「○○の部分をもっと詳しく説明して」「それだと××はどうなるの?」等とすかさず質問をして、説明する児童本人、そして説明を聞いている他の児童達がより良く理解できるように機敏に指導してらっしゃいました。子供の声の大きさ、説明を皆が聞いていること、指し示す図が児童の影に隠れて見えづらい子がいないか、など、教室全体への配慮もされていて、授業経営には深い配慮や経験が必要なことが受講者にとって良い勉強となりました。

教室での説明が終わり、外に出て実証実験を行いました。花壇の脇に幅1m、長さ3mほどの流路が作られていて、ここに水を流して、先ほど教室で児童が説明した実験を実際に行います。水の流れはちょっとした角度の違いや高低の差で大きく変わってくるので、なかなか予想通りにはいかなかったようですが、子供達は熱心に流路を作り変えてみたり、笹舟を流して流路の内側・外側での速度を計ろうとしたり、工夫して取り組んでいました。最後に再び教室に戻り、実験の結果について各班がまとめの意見を説明しました。今日の実験から、さらなる改善点がいろいろと見つかったようで、それは次回の授業で再度確かめる、ということになりました。子供達がみな、とても熱心に授業に参加しており、29人のクラス全員がひとつにまとまっているのは素晴らしいことですが、これもやはり、渥美先生の授業経営の手腕でしょう。

student_internship02.jpg本日の授業、「流れる水のはたらき」は、受講者が先日のCST理科教育法Ⅱで学習したばかりの内容で、このことも、受講者にはとても良い経験になりました。CST理科教育法Ⅱでは、受講者は自身の実験を成功させることに集中していたのですが、実際の授業となるとそれだけでは勿論ダメで、子供達が実験をうまく成功させ、さらに、学習すべき大事な点を伝えなければなりません。子供から次々に発せられる質問にも要領よく、分かりやすく答えてあげないといけません。理科に関する知識と、授業経営の知識・経験がバランスよく発揮できなければ、授業は運営できないことが、受講者にはとても良い勉強になりました。

student_internship03.jpgお昼を挟んで、次は吉田副校長先生による校務分掌のお話です。滝野川小学校の「運営組織表」というものをお見せ頂き、学校全体がどのような組織で、どのような業務をこなしながら全体として運営されているかについて詳しくご説明くださいました。小学校の先生は、授業実施、授業準備や提出物の採点を行っているだけではなく、経理、庶務、予算計画など、実に様々な業務を先生方自身が分担して行っています。これは大変な作業です。これらは通常、教育実習では学ばないことであり、受講者には大変勉強になりました。

student_internship04.jpgさらに、理科支援員の鹿嶋先生から、理科準備室をご案内、ご説明いただきました。どのように実験器具を準備すれば使いやすいのか、器具マップはどのように作るのか、など、理科室整備で大切な点を教えていただきました。また、古い器具を廃棄したり廃液を処理する際はどのような手続きや報告が必要なのかなども教えていただきました。これまでに受けた教育実習ではこういった事を学ぶ機会がなかったので、とても良い機会になりました。


今日はここまでです。あと5日、滝野川小学校にお邪魔して、渥美先生を初め、いろんな先生方から小学校理科教育に関わることを全般的に教わり、さらに大学での講義にて、意見を出し合いながら理解を深めていきます。


文責 / 担当講師 垣内

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