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理数系教員養成拠点構築事業
(CST養成コース)
◆講座紹介レポート
<3.自由研究指導法>

講座紹介レポート


自由研究指導法 ~事例研究~


学生記者 / 大塚悠子

■授業概要

◇自由研究コンクールとは

小中学生の夏休みの宿題のメインとも言える自由研究。自由研究指導法2の授業は、自由研究コンクールで優秀な結果を収めた受賞作品の事例研究をテーマに行われました。今回の授業には現職の小学校教諭の方も2名おられ、貴重なお話をうかがうこともできました。

授業では、まず、自由研究コンクールの意義、コンクール受賞に向けた傾向と対策について受講者の意見発表もしながら学びました。

次に、様々な自由研究コンクールの紹介がされました。自由研究コンクールとひとくちにいっても、子供が応募できる自然科学コンクールにはいろいろな種類のものがあり、それぞれに特徴があります。コンクール毎の特徴を知るところから始めました。

◇コンクール優秀作品の読み込み

この日の授業で時間をかけて行ったのは、コンクール優秀作品の分析です。学生記者の周りで特に話題に上がったのは、第47回シゼコン・文部科学大臣奨励賞を受賞した、「レタスの茎の変色のひみつをさぐる」という研究です。なんとこのテーマ、研究を行ったのは小学校5年生でした。内容は非常に充実していて、レタスの茎が赤くなる原因を探る「実験1」からはじまり、赤くならないようにすることができるのか調べる「実験12」、さらに「追加実験」にまで及ぶ超大作です。

では、優秀作品にはどのような特徴があるのか、これまでの優秀作品の共通点を探しました。受講者どうし話し合った結果、「身近にテーマを見つけている」、「研究活動を継続的に何年かかけて行っている」といった点が挙げられました。また、自由研究コンクールへの参加をどのように児童に勧めるか、といった、現場を想定した意見交換も行われました。

さらに、将来コアサイエンスティーチャーとして活動することを想定し、自由研究優秀作品を解析する読解セミナーの実施方法についても学びました。


■受講者の声

コンクール受賞作品は、まとめ方が上手い、と感心するような声も聞こえました。また、実験を重ねていくうちに新たに出てきた疑問もきちんと考えながら研究を進めている点など、「さすがだね」という声も聞こえました。しかし一方で、優秀作品であっても、参考文献が載っていない、といった問題点も聞かれました。

また、学生の受講者から現職の先生方に対して、「学校内で自由研究の発表の場はないのか」といった質問が出ました。学校内での発表の場合、ひとりひとりの評価はどのようにされるのかという質問もあり、児童どうしで感想を書いた付箋をわたす、などという方法が紹介されました。


■記者の感想

恥ずかしながら筆者は、そもそも自由研究のコンクールがこんなにあるなんて知りませんでしたので、多数のコンクールの存在を知ることができただけでも収穫でした。



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