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理数系教員養成拠点構築事業
(CST養成コース)
◆講座紹介レポート
<3.自由研究指導法>

講座紹介レポート


自由研究指導法 ~自由研究レポート作成実践~


学生記者 / 草間かおり

前回までの授業の総まとめとして、「児童・生徒が実際に興味のある研究題材を見つけてレポートを書く際、教員はどのように指導すればよいのか」について勉強しました。レポートを作成するためのポイントを確認した後、実際に指導するに当たって起こり得る問題点をディスカッションしました。

今回の授業では、現役の小学校教員の方も参加していたので、実情を伺ってみると、『自由研究を行う学校も最近は増えてきているが、自由研究のためにまとめて授業を行うのは大変難しい』との声が寄せられました。自由研究は“総合”の時間に行われる場合が多いのですが、学校によっては国語の表現力や社会の調べ学習に力を入れる等、理科以外の科目を自由研究の題材に当てている学校もあり、自由研究は学校の方針によって扱いがかなり異なることも知りました。私たち学生や研究者は、定期的にゼミやプレゼンを行っていて、いろいろな人の前で発表することで周囲の人から様々な意見をもらい、それらを吟味し、新たに実験方法を練り直すことで研究を進めています。このように一つのことに興味を持って取り組むことが、理科を楽しみ、論理的に物事を考えることにつながるのだと考えています。しかし、小学校では理科の授業で調べ学習をして実験をまとめても、教室に掲示することはあるが、発表を通して児童間で意見を求め合うには時間的制約が大きいのだそうです。

消極的な意見も飛び交う中で、理科は好きだけど、学校で勉強する授業の理科は好きじゃないという児童が多いとも教員の方から伺いました。実際に、自由研究レポートを書いて受賞した児童は積極的に次の年もレポートに取り組んでいる事例があるそうです。発表する場があり、成果を褒めることによって、さらなる興味を持たせることも、発表の意義であると再認識しました。理科の不思議は小学生の生活の場にたくさんあるはずです。「自然の中で生まれる不思議について考え、調べることによって理科の知識を増やす経験をしたら、理科好きの児童はもっと多くなるはずだ」という結論を持ってディスカッションは終わりました。

今日までの授業を参考にしながら、これから実際に自由研究を行い、レポートにまとめることになります。学生は各々、研究室に所属して課題研究を行っているので、その研究内容に近いような自由研究を、というのが課せられた課題です。実際に行っている研究なので背景などは十分に分かっているつもりですが、これを一般にも分かりやすく、となると、どのように表現すればいいのか、意外に難しそうな気もします。

 

■筆者の感想

小学校で自由研究の指導を行うには、たくさんの課題があることを改めて感じました。しかし、今まで学んできたこと、研究するノウハウを小学生・中学生のできる範囲で課題を与えていくことは、難しいが将来性のあることだと思います。知らないこと・不思議に思ったことを調べ、学び、考えることで生きる力や積極性を養うことが今の子供たちに必要なんですね。


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