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理数系教員養成拠点構築事業
(CST養成コース)
◆講座紹介レポート
<4.教員研修実践論>

 

講座紹介レポート


教員研修実践論 ~教材の開発~


学生記者 / 大塚悠子

■授業概要

◇鉛筆一本からつくる専門教材

教員研修実践論の第二回のテーマは、「教材の開発」でした。

授業では、各受講者に鉛筆が一本ずつ配られ、これを材料に専門教材を開発するとしたら、どのようなものが考えられるか、という課題が出されました。

「電気を通すことを学ぶ」、「鉛筆の芯のもつ抵抗を調べる」、「燃やすとCO2が発生する」といったものから「鉛筆の重さをそのまま量った場合と、削って重さを量った場合を比べる。どちらも同じであることから、質量は形に関係ないことを示す」、「転がして、確率統計の勉強に用いる」、「発泡スチロールに刺す。一方の削られている端の方は刺さりやすいが、もう一方の平らな端の方は刺さりにくいことから、圧力を学ぶ」、「丸型の色鉛筆と比べる」、「何に書けるか(紙には書けるがガラスには書けない)ということから、ものの表面や摩擦について考察する」、「落とす高さと刺さる深さから位置エネルギーをまなぶ」、「痛点を探す」、「環境教材に用いる」……など、様々なアイディアが出されました。授業では、乾電池や電子メロディー、手回し発電機など、教育現場で利用できそうな理科実験の道具が何種類も用意され、受講者は実際に開発教材を使った実験を見せあいました。

◇開発した教材をどのように用いるか

教材開発についてのアイディアはどんどん出てきて、授業は大盛り上がりでしたが、ここでいちど区切りをつけ、今度は開発した教材を用いた授業経営について、気をつけなければいけないことを話し合いました。実際に児童が作業するのにかかる時間はどれくらいか、安全面で問題はないか、人数分の材料を用意するのにかかる費用は準備できるか、などといったポイントが浮かび上がってきました。


■受講者の声

筆者がいた班で受講者どうし頭をひねったのは、教材開発のアイディア自体はたくさん出たのですが、それをどの単元にどのように利用するのか、ということでした。自分たちが開発した教材が、指導要領のどの項目に合致するのかを考えるのが意外と難しい、という声が聞こえてきました。


■記者の感想

最初は鉛筆一本で何が作り出せるのか不安でしたが、思った以上にたくさんのアイディアが出てきて楽しかったです。受講生のバックグラウンドは様々なので、各自の専門に関係のある着眼点をもっていて、出てくる発想もいろいろで、刺激的な時間でした。

また、現職の先生も二名参加されていたのですが、「実際には科学クラブでも実験の振り返りの時間をとるのが難しい」、「自分の考えを文章にまとめるのができる児童とできない児童がいる」などといった現場の様子を聞くことができ、大変興味深かったです。また、先生方の板書の速さときれいさには、さすが現職の先生方、と思いました。


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