理科好きの子供たちが増えることを願って |
単元「花から実へ」の授業として、ホウセンカの仲間、インパチェンスの花粉管の観察を行いました。
授業は、先生からの質問「受粉をした後は、どうやって種子ができるのか?」で始まりました。言い換えると、受粉をして花粉が着く場所(柱頭)と種ができる場所(胚珠)は離れているのですが、花粉はどうやってそこまでたどりつくのかという質問です。子どもたちは、その答えは知らないのですが、持っている知識と想像力を働かせて、次のような仮説を出してくれました。
理科で大切なことの一つは仮説を立てる力ですが、子どもたちはそれがしっかりとできていました。
仮説を立てた後は、2つの状態の花粉を観察することで検証しました。1つは受粉前の花粉、もう1つは受粉後の花粉(*)です。花粉の観察は光学顕微鏡で行いました。受粉前の花粉は、角の丸い長方形をしていました。
さあ、いよいよ受粉後の花粉の観察です。自分の立てた仮説が正しいかどうか、ドキドキしながら顕微鏡をのぞくと、そこには仮説とは違った驚きの世界がありました。何と、花粉から細長いものがニョロニョロと伸びているのです。何がなんだかわからない子どもたちは、びっくりしています。そのニョロニョロは花粉管といい、それが胚珠まで伸びて種を作る元になる精細胞が届けられるのです。
この授業を通じて、子どもたちは植物の不思議な力につよく興味を持った様子でした。
*:正確には、受粉ではなく寒天の培地に置いた花粉です。培地に置かれた花粉は、受粉したと勘違いし、花粉管を伸ばし始める性質を利用した実験です。