責任者の表記

理科実験支援事業
【平成21年度 小学5年 ものの溶け方授業報告】

理科好きの子供たちが増えることを願って 
実施一覧に戻る

もののとけかた(再結晶の観察)12月18日 西ヶ原小学校5年
90分×1クラス

 

単元「もののとけかた」の発展的内容として、みょうばんと硝酸カリウムの再結晶の実験を行いました。授業の狙いは「温度が上がると、温度が溶ける」ことの復習と、再結晶の現象を見ることで化学の楽しさを実感する、の2つです。

h21_5mononotokekata01.jpg

授業冒頭で、先生がお湯に大量の砂糖を溶けるところを見せて「温かい液体には、物質が多く溶ける」ということを子どもたちに実感させます。

その後で、先生から出された質問は、「この白い粉(硝酸カリウム)25gは、50mlの水に何℃で全部溶けきるでしょう?」。子ども達からは「50℃!」「100℃」などと言った予想が出てきました。実際に何℃で溶けるかを知るために、早速実験にうつります。アルコールランプで水溶液を熱しながら、ガラス棒で撹拌していきます。15℃、20℃と徐々に温度が上がってきます

h21_5mononotokekata02.jpg

。最初の数分は、全然溶けていない様子でしたが、時間が経過すると「少し溶けたみたい」という声が聞こえ始め、30℃を超えたあたりで「ほとんど溶けた!」と嬉しそうな声に変わりました。実験結果は「35℃で全部溶ける」でした。「温かい液体には、物質が多く溶ける」ということが、今回の実験でも証明されました。

しかし、実験はここで終わりません。先生から「硝酸カリウムの水溶液を各自シャーレに移して、水で冷やしてください」との指示が出ます。子どもたちは、冷やすと何が起きるか全く知らないので、指示通りに作業を行います。

h21_5mononotokekata03.jpg

水溶液を冷やし始めて、数分後、突然、変化が起こりました。水溶液の中に、白くて細い棒上の物質が大量にできているのです。びっくりした子どもたちは、シャーレを実体顕微鏡で観察し始めます。「うわぁ、きれい!」「すげぇ」、顕微鏡を覗いている子どもたちは大興奮です。水溶液に出てきたのは、硝酸カリウムの結晶です。温度が下がったために水の中に溶けていられなり、固体として出てきたのです。霜柱のような白くて細いキラキラした形が特徴です。冷え方によって、結晶のでき方が違うのも、面白いところです。出てきた結晶はしっかりとスケッチしてもらいました。

h21_5mononotokekata04.jpg

違う物質でやったらどんな結晶がでてくるのだろう?ということで、今度は別の白い粉(ミョウバン)が登場しました。硝酸カリウムの時と同様、溶ける温度の予想、熱して溶かす、シャーレで冷やす、の順番で作業を行います。その結果出てきた結晶は、先ほどとは違う形をしています。子どもたちは「ダイヤモンドが浮いている」「宝石みたい」などと表現していました。

今回の授業で、子どもたちは「温度ともののとける量の関係」を、硝酸カリウムとミョウバンの2種類の物質での実験で再度確認ができた他、再結晶という現象を目の当たりにしたことで、化学の分野への興味が広がるという、発展授業にふさわしい効果が感じられた授業となりました。

h21_5mononotokekata05.jpg

 

 

実施一覧に戻る