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理科実験支援事業
【平成21年度 小学5年 プランクトン授業報告】

理科好きの子供たちが増えることを願って 
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生命の誕生(池のプランクトンの観察)6月9日 荒川小学校5年
90分×1クラス

 

新指導要領で登場した単元「水の中の小さな生き物」の授業として、3種類の顕微鏡を使って、水中プランクトンの観察を行いました。
授業冒頭では、先生から「ビオトープのメダカは何を食べている?」という質問が投げかけられました。水槽のメダカと違って、ビオトープのメダカにはエサをあげている人はいません。メダカが何を食べているかを知るために、ビオトープの水を調べることにしました。

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早速、ビオトープの水の採取に行きたいところですが、その前にプランクトンネットと呼ばれる、水中微生物採取用の道具を作りました。ストッキングやペットボトル、フィルムケースなどの身の回りの物を使って作ります。班ごとに協力しながら作ること20分、プランクトンネットが完成しました。

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早速、外靴に履き替えビオトープに向かいます。水中プランクトンは水の中に浮いていたり、底に沈んだ落ち葉などについているので、お風呂のかき混ぜ棒で水をよくを混ぜてから、プランクトンネットで水をすくいます。水をの中の小さな生き物をストッキングの細かい網でこし取って、たくさん集めるために、児童達には20回すくってもらいました。

教室では、ビオトープで採取した水をスポイトでシャーレに移して、肉眼で観察。メダカやミジンコなどの大きい生き物(数mmの大きさ)が動いているのが見えました。しかし、体の細かい部分まではよくわかりません。

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そこで、双眼実体顕微鏡の登場です。倍率は10倍です。台数は一人1台。肉眼では見えなかった、メダカやミジンコの体の仕組みがはっきり観察できます。「すごく、よく見える!」「ヤゴがいた!」といった元気な声が、あちこちから聞こえました。

次に登場したのが光学顕微鏡。こちらも一人1台あります。倍率は50~400倍です。初めて使う顕微鏡で、操作も多少難しいため、先生がプレパラートの作り方、ピントの合わせ方、倍率の変え方などの操作方法を説明しました。光学顕微鏡で観察してみると、ミジンコやケイソウが見えてきました。ピント合わせに苦労する児童には、先生や大学講師が助けに行きます。h21_5plankton04.jpg
しかし、ピントはあったものの、プランクトンを見つけられない児童もいました。理由は、荒川学校のビオトープは新しい(完成後3カ月)ため、まだ生き物が少ないからです。そこで、何年も経っている別のビオトープの水も観察することにしました(大学講師が持参)。こちらの水では、ケイソウ、ミカヅキモなどの植物プランクトンや、センチュウ、ワムシ、トゲムシなどの動物プランクトンが豊富で、ほとんどの児童が何らかのプランクトンを発見、しっかりとスケッチをして記録を残しました。先生が説明したスケッチのコツである「大きく描く」「塗りつぶさずに点と線で描く」を守った、よいスケッチがたくさんありました。

3つ目の顕微鏡は、電子顕微鏡です。倍率は25~6000倍です。今回はヒゲムシという、トゲだらけの動物プランクトンを、班ごとに観察しました。

授業の最後では、

ことを先生がまとめて終わりました。

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顕微鏡で“生の”生き物の姿を観察した児童達は、活き活きとした表情をしていました。この感動は、教科書の写真や絵では決して生み出せないものです。担任の先生からも「一人1台の顕微鏡があったおかげで、全員がしっかり観察できて大変有意義でした」との感想をいただきました。

 

 

 

 

 

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