理科好きの子供たちが増えることを願って |
気孔観察の授業の目的は、植物に「気孔」という水・酸素・二酸化炭素の通り道があることを観察することと、植物の種類によってその形や並び方に違いがあることを知ることです。事前打ち合わせでは、学校にある様々な植物の気孔を観察し、気孔が観察しやすいもの、特徴があるものを選び出す作業を先生とお茶大講師で協力して行いました。
授業の最初は、気孔についての復習です(この学校では、すでに習っていたので)。クラス全体で、気孔が水・酸素・二酸化炭素の通り道だということを確認しました。
続いて、お茶大講師よりスンプ法という、気孔観察の方法が紹介されました。スンプ法は、観察するものの型をとり、それを観察する方法です。今回は次の方法で行いました。
ボンドを葉に塗る → 乾いた後でボンドの上にセロテープを貼る
→ ボンドをセロテープごとはがす(気孔の型を取れる)
→ セロテープをスライドガラスに貼る → 光学顕微鏡で観察する
お茶大の先生が、袋小学校の校庭から授業前に取ってきたのは「かりん」、「アンズ」、「ツバキ」の3種類の葉。それ以外に、子供たちも授業前に学校敷地内から、様々な種類の葉を取っていました。
そうした葉の気孔を、スンプ法を使って観察しました。顕微鏡で気孔を観察している子どもたちからは、「おぉ、なんか穴がいっぱい開いてる!」とか「きれいな模様!」とか「気孔の形が唇みたい」などの声が聞こえてきました。知識として気孔のことを事前に知っていたとはいえ、実際に見るのは初めてなので、興奮している様子です。一人一台の顕微鏡が与えられているので、自分の興味のある場所をじっくり観察できます。
観察を通じて、植物の種類によって、気孔の形や密度、配置が異なることを、子どもたちは発見しました。
授業の最後には、マツの葉の気孔を観察しました。
マツの気孔を観察すると、空気がどれだけきれいかを調べることができます。
気孔に空気中のごみがあると、マツの気孔に黒っぽいゴミが詰まってしまいます。
何パーセントの気孔にゴミが詰まっているかを数えることで、大気の汚れを測定する方法です。
観察したのはもちろん、袋小学校のマツの葉。観察の結果、ゴミが詰まった気孔はほとんどなく、袋小学校の空気がきれいであることが確認できました。
顕微鏡を使って、植物の仕組みを、実感を伴って理解できた授業となりました。