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暑い季節を迎えます

熱中症の季節です

暑い季節を迎えています。熱中症は炎天下で発生する症状と思われがちですが、高温・多湿の状況であれば屋内でも十分に起こり得ます。

熱中症とは・・

  • 高温環境下で、体液(水分および電解質)欠乏による脱水症がおき,栄養素や酸素,老廃物の運搬ができなくなり,対応調節機能も維持できなくなります。体温調節ができないことにより,体に熱がこもり,臓器が障害を受けます。脳が最も影響を受けやすく,中枢神経症状(けいれん,意識障害など)が出現し,全身のたんぱくの変性が起きます。(参考:谷口英喜『経口補水療法ハンドブック改訂版』日本医療企画,2013.)
  • 脱水症にならないよう水分摂取が大事です。水分はアルコール以外であれば好きなものでよいです。お茶やコーヒーは利尿作用がありますが,水分としてカウントできます。ただし,脱水状態となったときは,経口補水液(水分の吸収が迅速,スポーツドリンクの約2倍の速さ,飲む点滴と言われる)が推奨されます。今は飲みやすい味のものも発売されています。比較的体力がある人で,経口補水液は飲みにくいという人は,スポーツドリンクでもよいです。
  • 予防法を知っていれば防ぐことができます。ただし,熱中症に至った場合は, 適切に対応しなければ,死に至る可能性のある病態です。
  • 応急処置を知っていれば救命できます。 

環境省熱中症予防情報サイト 熱中症の予防方法と対処方法 環境省 (env.go.jp) (新しいウインドウが開きます)

熱中症予防のための情報・資料サイト   厚生労働省 (mhlw.go.jp) (新しいウインドウが開きます)

お互いの体調を気遣い、体調不良時には気軽に申告できる環境を作りましょう!

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熱中症は予防が大切です (20230616)

暑熱を避ける

日陰を歩く、帽子の着用、日傘の利用

服装の工夫

吸水性、吸湿性、揮発性に富んだ繊維、服。クールビズ、

こまめな水分・塩類補給

水、お茶、スポーツドリンク、味噌汁

急な暑さに注意

梅雨時など高湿度の気候の変化に注意しましょう。身体がまだ暑さに慣れていない 時期は要注意です。

体調管理に注意

欠食、睡眠不足、風邪、体調不良、生理など

運動時の注意

適切な時間に適切な休憩時間をいれましょう。 休憩時には冷タオルで首筋を冷やしたり、衣類を緩めることも大切です。

  • 毎日の天気予報、環境省などのホームページの熱中症情報やアプリなどを活用し、熱中症にならないように十分気をつけましょう。
  • 真夏日など悪条件下での運動は取りやめるなど理性的な判断をお願いします。

マダニ(ダニ媒介感染症)に注意してください (忌避剤(虫除け剤)は、「イカリジン」「ディート」含有の製品を推奨します) (20230616)

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)や日本紅斑熱、ツツガムシ病をはじめとするダニ媒介感染症を予防するためには、マダニに咬まれないようにすることが大切です。
  •  農作業やレジャーなどで、森林や草むら、ヤブなどに入る場合には注意しましょう。
  • 長袖・長ズボン(シャツの裾はズボンの中に、ズボンの裾は靴下や長靴の中に入れる、または登山用スパッツを着用する)、
  • 足を完全に覆う靴(サンダル等は避ける)、帽子、手袋を着用し、首にタオルを巻く等、肌の露出を少なくしましょう。
  • 肌の露出部には虫除け剤を塗布してください。塗布されていないところは刺されますので,まんべんなく塗る必要があります。いままでは確実な虫刺され忌避のためにはディート(DEET)30%以上の商品が推奨されてきましたが,イカリジン(Icaridin, ピカリジン Picaridinと同じ)に同等の有効性があります(Goodyer & Schofield, 2018)。また,イカリジンはディートよりも皮膚刺激性が少なく,安全で,年齢制限なく使用できます。
  • 特にSFTS(重症熱性血小板減少症候群) (新しいウインドウが開きます) については、昨年同時期と比較して患者の報告数が増加しており、海外では家族内感染あるいは院内感染といった限定的なヒト-ヒト感染事例も報告されています。
ダニ媒介感染症 (厚生労働省 mhlw.go.jp) (新しいウインドウが開きます)
マダニ対策、今できること  (niid.go.jp)  (国立感染症研究所) (新しいウインドウが開きます)

ディートを含有する医薬品及び医薬部外品に関する注意事項

 • 漫然な使用を避け、蚊、ブユ(ブヨ)等が多い戸外での使用等、必要な場合 にのみ使用すること。

 • 小児(12歳未満)に使用させる場合には、保護者等の指導監督の下で、以 下の回数を目安に使用すること。小児の場合、手,目の周り,口とその周りには使用しないこと。

対象年齢 用法・用量
6か月未満の乳児 使用不可
6か月以上2歳未満 1日1回
2歳以上12歳未満 1日1~3回

★イカリジン含有忌避剤についての使用制限はありません

食中毒に気をつけましょう

食中毒は正しい知識を持っていれば防ぐことのできる疾患です。
暑い季節は、食物の腐敗が進行しやすいため、食物の保存には十分な注意を払い、摂取するようにしましょう。
また、口を付けたペットボトル飲料の飲み残しには菌が増殖しやすいため、早めに飲み切るなど保存に注意してください。
ペットボトル飲料に口を付けて飲むと口腔細菌が流入する! | 新潟大学 社会連携推進機構 (niigata-u.ac.jp)

<食中毒予防の3原則 食中毒菌を「付けない、増やさない、やっつける」>

食中毒は、O157やサルモネラなどの細菌に起因するものが有名ですが、食中毒の原因には、ウィルスや自然毒、寄生虫などさまざまな種類があります。
食中毒は、その原因となる細菌やウイルスが食べ物に付着し、体内へ侵入することによって発生します。
食中毒を防ぐためには、細菌の場合は、
▶ 細菌を食べ物に「付けない
▶ 食べ物に付着した細菌を「増やさない
▶ 食べ物や調理器具に付着した細菌を「やっつける
という3つのことが原則となります。
発生源 種類 症状
細菌 腸管出血性大腸菌(O157)、カンピロバクター、リステリア、
その他の細菌(サルモネラ、黄色ブドウ球菌、腸炎ビブリオ、ウェルシュ菌、セレウス菌、ボツリヌス菌など)
悪寒、発熱、嘔吐、腹痛、下痢など
ウィルス ノロウィルス、E型肝炎、A型肝炎 ノロウィルス(11-2月に7割が発生)
ウイルスが体に取り込まれてから半日から2日の潜伏期間を経て、嘔吐の後、水様性下痢。、2日ほどの経過で回復に向かう
E型肝炎
ウイルス感染後、15~50日間(平均6週間)の無症状期間後、急な発熱、全身のだるさ、食欲不振、吐き気・嘔吐、数日後に黄疸
A型肝炎
2~6週間(平均4週間)の潜伏期間を経て、発熱や全身倦怠感、腹痛、吐き気・嘔吐、下痢、食欲不振、黄疸、尿の色が濃くなる、便が白くなるなど(若年者は無症状のケースもあり)
動物性
自然毒
フグ、二枚貝(貝毒)、巻貝(キンシバイなど)、 フグ
フグ毒(テドロトキシン)により神経と筋肉に作用し身体の麻痺
二枚貝
麻痺性貝毒:手足のしびれや頭痛など
下痢性貝毒:嘔吐や下痢の症状
植物性
自然毒
毒キノコ、有毒植物(水仙、ジャガイモなど) ジャガイモ
ソラニンやチャコニン(カコニン)は天然毒素の一種で、ジャガイモの芽や緑色になった部分に多く含まれ、これらを多く含むジャガイモを食べると、吐き気や下痢、おう吐、腹痛、頭痛、めまいなど
クサウラベニタケ
食後20分~1時間程度で嘔吐、下痢、腹痛などの消化器系の中毒を起こす
唾液の分泌、瞳孔の収縮、発汗などの中毒症状も現れる
カエンタケ(自然の多い公園にも自生しています。絶対に触らないようにしましょう)
カエンタケは触れるだけでも炎症を起こし、食べると死亡事例あり
化学物質 ヒスタミン(ヒスチジンを多く含むマグロ、カジキ、カツオ、サバ、イワシ、サンマ、ブリ、アジなどの赤身魚及びその加工品) 食べた直後から1時間以内に、
顔面、特に口の周りや耳たぶが紅潮し、頭痛、じんましん、発熱など
寄生虫 クドア(生食用生鮮ヒラメ(ヒラメのお刺身等) )、
アニサキス(アニサキス幼虫は、サバ、アジ、サンマ、カツオ、イワシ、サケ、イカなどの魚介類に寄生

クドア

食後数時間程度で一過性の嘔吐や下痢を呈し、軽症で終わる症状が特徴

 急性胃アニサキス症  
食後数時間後から十数時間後に、みぞおちの激しい痛み、悪心、嘔吐
 急性腸アニサキス症
食後十数時間後から数日後に、激しい下腹部痛、腹膜炎症状

引用:厚生労働省_健康・医療_食中毒 (新しいウィンドウが開きます)

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