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令和4年度研究助成:「重金属を用いない環境適応型含フッ素ジアミンモノマーの合成法の開発」矢島知子先生(理学部化学科)

2026年8月5日更新

「重金属を用いない環境適応型含フッ素ジアミンモノマーの合成法の開発」矢島知子先生(理学部化学科)

*所属は研究助成を行った当時のものです。

フッ素を有するポリイミドは、日本を代表する低誘電・透明材料であり、次世代型構造の開発は重要な課題となっています。私たちの研究室では新しいフルオロアルキレン鎖で結合したジアミンモノマーを合成し、それを用いたポリイミドの開発を行っています。この中で、得られたポリイミドは十分な耐熱性を維持したまま、柔らかく、低誘電性を有することを見出しており、通信情報、航空宇宙材料などへの展開が期待される材料です。

類似のモノマーはこれまで多量の銅を用いたヨウ素を有するアニリンとのカップリングによる合成が報告されています。これに対し私たちは環境負荷の大きな重金属を用いず、低エネルギーなLED光源を用いたラジカル反応による合成法を見出してきました。この反応では反応前駆体アニリンにヨウ素は必要ないことから、様々なアニリンに適用可能です。しかしながら、光反応では反応の大量合成が難しいという問題点がありました。

そこで本研究では、大量スケールでの合成に適用できる、安全な金属を用いない環境適応型の合成法の開発を計画し、実施しました。その結果、亜次チオン酸を用い、光反応で用いた溶媒よりも環境適応型の溶媒を用いた反応において良好な収率で望む生成物が得られることを明らかにしました。これは、光を用いることもなく、大量スケールでの合成に適用できる反応です。

この研究は、東ソー・ファインケム株式会社との共同研究に繋がり、すでに特許出願(特願2023-063863)を行っています。

このような環境にやさしい化学物質の合成法の開発は、安心・安全な方法で有用な化合物を世の中に送り出すことのでき、より便利な世界を提供できるSDGsに欠かせない分野となっています。今後、このモノマーを重合することにより、より高速通信に対応した材料など便利な材料の開発を行っていきます。

R4研究助成_矢島先生_図1 R4研究助成_矢島先生_図2

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