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時間管理で仕事も家庭も

2017年5月17日更新

佐々木 かをりさん 株式会社イー・ウーマン社長 イー・ウーマン、ユニカルインターナショナル2社の社長。
87年に通訳・翻訳の株式会社ユニカルインターナショナルを設立。2000年にコミュニティサイト「イー・ウーマン」を開設し、働く女性の意見交換、学ぶ場づくりを通して、企業向けの意識調査、商品開発、人材研修などを行う株式会社イー・ウーマンを設立。現在、政府審議会委員や上場企業の経営諮問委員をつとめる。96年より毎夏「国際女性ビジネス会議」開催。87年より「ニュースステーション」でニュースリポーターを務めたのを皮切りに、「とくダネ!」コメンテーターなどメディアでも活躍。
著書にまとめた斬新な思考法、発想法の支持者も多い。2009年「ベストマザー賞」受賞。2児の母。ブログ公開中

上智大学外国語学部比較文化学科の学生時代について教えてください。

上智大の比較文化学科では、授業もキャンパスの公用語もすべて英語。少人数制で、とても密度の濃い授業でした。教科書を読むにも、宿題をするにも、毎日明け方まで辞書を片手に勉強しました。
成績評価の制度も厳しく、海外旅行経験さえ無かった私にとって厳しい毎日でしたが『大学に通うからには、ちゃんと勉強のできる環境がいい』という私の思いに適っていたように思います。また、夜間に通っていた英会話学校で奨学生に選ばれ、大学三年時は留学し、アメリカの大学で学びました。
私は高校一年生からアルバイトを始めていました。親からお小遣いをもらうことがあまり心地よく感じず、お小遣いくらい自分で稼ぎたいと音楽関係の会社で働き、大学の入学金も学費も、英会話学校など様々な学費も、すべて自分で出しました。アルバイトをすることで、目の前にあるものに一生懸命取り組むことの楽しさを学べたことは良かったです。今でもアルバイトで知り合った人たちが、仕事をくださったり、紹介してくださったりするんですよ。

2社の社長や審議会委員を兼務するようになったいきさつについて教えてください。

大学を出てフリーランスの通訳を何年かした後に、より良い仕組みで仕事ができたらいいなという思いから、ユニカルインターナショナルという会社を作りました。フリーランスの通訳者・翻訳者のネットワークです。今は、70言語対応で、メディアや国際会議などさまざまな仕事をしています。ユニカルを作った年に、テレビ朝日のニュースステーションからフルタイムのリポーターのオファーを受けて、自分の会社の経営と6年間兼務しました。
世界25カ国以上を取材しました。それから結婚。2人目の子供を出産したのちに、働く女性を育て、多様な視点を企業に与えるコンサルティング会社、イー・ウーマンを設立しました。
政府の審議会の委員はご依頼をいただいた時、受けさせていただいています。法律を作ることになるので、とても面白い仕事です。

佐々木さんにとってのambitiousや今後のビジョンはありますか。

イー・ウーマンのサイトでは、働く女性を育て、企業や社会には新しい視点を加えようというミッションがあるわけで、その意味ではイー・ウーマンの存在その ものがambitiousなんですね。毎日の仕事を続けていくことで、日本に多様性豊かな選択肢が増えるといいと思います。

やりたいことや強みがはっきり定まっていないという女子大生は多いと思うのですが。

それでいいんです。大切なことは、与えられたもの、目の前にあることに熱心にかかわること。たとえば私が大学生の時には、インターネットはなかったから、「将来はインターネットを活用しよう」などとは考えていなかったわけですね。
十年後、十五年後に、どういう仕事や技術があるのか分からないのだから、今から決めなくていいんです。
しかし待っていても道は開けない。今は、まずは与えられた仕事に全力を尽くす。イー・ウーマンにも大学生アルバイト、来ていますよ。

思いを外に向けて発信して行動に移すのは、失敗もあるし、難しいことではないでしょうか。

そんなことはありません。一番の失敗は、「何もしない」ということでしょう?responsibility (責任)という言葉は、「対応する」(response) + 「能力」(ability)だから、さまざまな経験をし、解決してきた人ほど、責任がとれる。体験の数が将来のために重要なのです。

お茶大生にアドバイスをお願いします。

まず行動すること。出会った人の数、体験した場面の数が人を成長させます。いろんな考え方に触れてほしい。どうすれば自分の行動や発言で、社会がプラスに動いていくか考えてほしい。イー・ウーマンのサイトでは毎日「円卓会議」を進行し、多様な視点を提供しています。ランチタイムに毎日読んでみてください。それから、もうひとつは、私が大学生のころから続けている時間管理を伝えたいです。手帳を使って、持ち時間を視覚化し、やることをパズル形式で埋めています。勉強もプライベートもすべて書き入れることで、自分の脚本になる。『自信』とは、『自』分を『信』じる、と書くでしょう。それができるようになる手帳なんです。みなさんもぜひ使ってください。

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