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2024年4月16日更新
本学では、女性研究者研究活動支援として、2009年度から子育て中の女性研究者に研究補助者を配置する支援事業を行っています。
2)研究室等における実験、現地調査等が不可欠な研究に従事している者。
当該年度の4月1日以降の支援対象者要件に合致する日から3月31日まで。
(ただし、途中で支援対象者要件に該当しなくなった場合は、翌月までとする。)
2023(令和5)年度 | 4名 |
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2022(令和4)年度 | 2名 |
2021(令和3)年度 | 3名 |
2020(令和2)年度 | 5名 |
2019(令和1)年度 | 3名 |
1)問題点の改善度合い
仕事(研究、教育、その他)や子育てにおける困難な事や問題となっていることを5つ程度挙げて、改善の度合いについて「改善できた」、「やや改善できた」、「改善できなかった」の3件法で回答を得た。
利用者の困難や問題のうち、「改善できた」項目として、補助者に会計処理などの事務的な作業を依頼したことで、出校時は研究や学生指導、授業準備等に時間を充てることができたこと、子どもの急な体調不良の際も電話やメールで業務依頼等を行い、予定していた業務を進められたこと、補助者の支援により論文投稿や報告書作成時の書類作成を円滑に進められたことが挙げられた。なお、「やや改善できた」項目は、研究計画や投稿論文執筆時に先行研究を調べ整理すること、「改善できなかった」項目は、多方面とのコミュニケーションに使う無駄な時間を減らすことであった。この理由として、大学運営、研究室運営、研究分野関連の連絡など連絡先が多岐にわたり、業務を渡しきれなかったためとの回答があった。
2)目標の達成度合い
2023年度の目標を5つまで挙げて、達成の度合いについて「達成できた」、「やや達成できた」、「達成できなかった」の3件法で回答を得た。
「達成できた」項目のうち成果として挙げられたのは、修士2年生によい研究体験を与えることができたこと、講義や学外実習の対応、外部資金申請4件、論文2本の投稿、学会発表3件(うち1回は国際シンポジウム)であった。「やや達成できた」項目として、学生の質問に積極的に答えること、有給をとり、子どもの幼稚園行事に積極的に参加できたこと、学生指導や研究室での研究活動の十分な時間の確保が挙げられ、その理由として、保育園のお迎えの関係で時間に制約があるものの、昨年度よりは達成できたとの回答があった。また、「達成できなかった」項目として、時間的に厳しかったため、前年度のデータ整理・論文投稿準備が挙げられた。引き続き支援を強化することが求められる。
3)支援により得た効果
2023年度における本制度による支援によって、どのような効果が得られたか、自由記述で回答を得た。
4名の被支援者は、支援補助者の方の業務は滞りなく遂行されたと述べ、論文投稿の投稿規定のチェックや内容確認はじめ、論文執筆に必要な情報収集、実験のサポート、図表の作成など、補助者のサポートが直接的・間接的に研究力の維持に多大なる影響を与えたとの声があった。補助者のおかげで事務作業に費やされる時間が減り、その時間を教育や研究に費やすことができ、肉体的にも精神的にも大変救われたとも述べている。子育てにおいて女性の負担は大きいが、人的支援を行うことで負担を減らし、教育研究活動の質を高めることができるため、継続した支援が必要である。