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2026年7月13日更新
雑穀は環境適応力が高いため、世界の食糧危機を救うと期待されており、国連が2023年を「国際雑穀年」として設けるなど、SDGsを推進する作物として注目されている。本研究では、持続可能な社会づくりに貢献する乳幼児教育における実践ならびに教材の開発を行った。また、食の循環に関わる雑穀の栽培活動を通じたキャンパスの緑化「ポケット・ガーデン創生プロジェクト」を行った。
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①雑穀の栽培に興味をもつ(園児対象)R7年7月 ・お茶大学生と3園との共創で進めるキャンパス緑化事業「ポケット・ガーデン創生プロジェクト」の一環として、大豆の種(地産地消にこだわり東京在来大豆「すずの大豆」を育てた)を観察して作付けを行った。 |
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②雑穀の栽培を通して「食の循環」を体験する(園児対象)R7年7月~ ・雑穀の成長過程を観察した。 ・雑穀が育つ自然環境(太陽・土・水・空気)に興味をもって関わった。 |
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③雑穀の栽培から「食」の未来について考える(園児・保護者・保育者・企業)R7年9月 ・「雑穀米麹の味噌」ができ、こども園で「味噌祭り」を行った。保護者も調理に参加した。「雑穀米麹」を提供してくださった株式会社ベストアメニティも参加して一緒に雑穀米味噌を味わいながら、「食」の未来について考えた。 |
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【総括】教材開発及び波及効果の促進 R8年2~3月(保育者・保護者・企業・一般市民対象) ・地域の子育て中の家庭向けの教材として、雑穀を知るための入門絵本『げんきがでるでるざっこくまい』を企業と共同で開発し出版した。 ・こどもフォーラムで「シンポジウム1:作って食べる生活 ~食・命・SDGs ~」を開催し、参加者全員(400名ほど)に配布した。 |
【本研究の成果】
①持続可能性のための幼児教育研究の推進:
本研究では乳幼児期の持続可能性のための教育として、雑穀を活用しながら持続可能性の問題に多面的に貢献できる教材を開発し広く発信した。
②「食の循環」を体験する食育実践:
「幼保連携型認定こども園教育・保育要領」(内閣府・文部科学省・厚生労働省、2017年)では、食育の観点から「園児が自らの感覚や体験を通して、自然の恵みとしての食材や食の循環・環境への意識、調理する人への感謝の気持ちが育つ」としている。この方向性と合致する本研究は、「食の循環」をはじめとする食育実践を実現した。昨年度に子どもたちが手作りし、仕込んだ雑穀米麹による味噌が出来、保護者の人たちも一緒に調理に参加してもらい食する会を開いた。栽培する、調理する、たべる「食の循環」を子どもたちが体験した。
③生物多様性保全に結びつく食育実践:
「食の循環」を重視し、伝統作物の再評価及びキャンパス緑化を通して生物多様性の大切さを学ぶ本研究は、生物多様性条約の国際目標「2030年までに生物多様性の損失を食い止め、2050年までに完全回復を目指す」という「ネイチャー・ポジティブ」の推進にも貢献した。
④産学連携によるSDGs推進:
本研究が協力を得る企業は、日本で初めて「雑穀米」を商品化しており、雑穀米に関する豊富な知識を有するだけなく、「有機栽培・無農薬野菜を届けるための農業」という目標に掲げている。共通の方向性を目指す企業との産学連携によるSDGs及び「ネイチャー・ポジティブ」の推進という、新しい乳幼児研究モデルについて、教材開発を通して提示した。

【本研究の社会的意義】
乳幼児期の持続可能性のための教育に関する研究はまだ少なく、どのように子どもが持続可能な社会づくりに参加していけるかという議論は萌芽期にある。本研究において、乳児から誰でも楽しく学べる教材を企業と共同で開発・制作し、園での学びを広くこどもフォーラムにおけるシンポジウムを通して還元した。また、雑穀米の教育活動から派生したキャンパス緑化の成果として「ポケット・ガーデンマップ」を制作し、本学のSDGs活動を積極的に促進し、可視化した。
本研究は、以下のように産学連携に基づいてグローバルな視点とローカルな視点を結びつけることでSDGsを推進した。
●産学連携による共同実践:本研究は、企業(雑穀はベストアメニティ株式会社)から専門知識の提供を受けて進める食育実践であり、お茶大・こども園・企業の連携により展開することから目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」を実現した。
●グローバルな観点:雑穀は、高い栄養価や機能性などの利点、広い環境適応能力を有することから、持続可能な作物として、世界の食料安全保障と飢餓の解消に大きな役割を果たすことが期待されおり、SDGsの目標2「飢餓をゼロに」、目標3「すべての人に健康と福祉を」、目標13「気候変動に具体的な対策を」の達成に貢献した。園児・保育関係者・保護者が雑穀について知ったり調べたりする過程で、これらの地球的課題の学びにもつなげられた。
●ローカルな観点:日本では古来多様な作物が栽培されてきており、食・文化・自然の多様性を支えてきた。キャンパス緑化を目指す「ポケット・ガーデン創成プロジェクト」の一環として子どもたちが雑穀の一つ「大豆」を栽培する活動は、目標15「陸の豊かさも守ろう」に貢献した。
以上から、本研究は目標4「質の高い教育をみんなに」のターゲット4.7「全ての学習者が、持続可能な開発を促進するために必要な知識及び技能を習得できるようにする」に資する研究を行った。
【SDGs推進研究所 事務局より】
2026年6月10日(水)に開催したSDGs研究助成 成果報告会では、刑部先生より、雑穀米や大豆といった「食」やキャンパス内の未利用地を活用する「お茶大ポケット・ガーデン創生プロジェクト(キャンパス緑化)」を通じた幼児教育の実践についてお話がありました。刑部先生は文京区立お茶の水女子大学こども園の運営にも関わっておられることから、子どもたちの日々の活動の中にSDGsの理念が内在していることにも言及がありました。

刑部育子先生
刑部先生の研究はSDGsの次のゴールに関わっています。

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令和8年度 第1回 SDGs研究助成 成果報告会ポスター(PDF形式 816キロバイト)
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