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2026年7月28日更新
[目的]
お茶高SSHでは「紅藻カギケノリの成長環境条件の探索」に関する課題研究が行われているが、高校の実験設備や指導に限界があり、大学との連携で質の高い教育・研究効果が求められている。
そこで本研究では、まず「紅藻カギケノリのブロモホルム高収率条件の探索」に関する研究を大学教員と大学生と高校生との共同で行い、次に、心理測定尺度集を考慮した質問紙調査やインタビューを行い、得られたデータの統計解析やKJ法分析により共同研究を通じての教育効果を検証する(図1)。
本研究により、近い世代が携わる教育システムを確立し、附属学校園が充実している本校においてSDGs4「質の高い教育をみんなに」を実現する手法開発を目指す。

図1 本研究の課題
[方法・結果]
2023年度お茶高3年生3名は、2年生の時に大学教員の嶌田とともに、実験を行った。一方、2023年度お茶高2年生3名は、2年生の時におもに大学3年生TAとともに、実験を行った。この大学教員が実験に携わった3名と、おもにTAが実験に携わった3名に、心理測定尺度集を考慮した1-5段階で回答できるような16の質問項目による質問紙調査と、質問項目を決めたインタビューガイドにより対面での個別半構造化面接というインタビュー調査を行った。
その結果(図2)、まず質問紙調査を抜粋すると、例えば、「課題研究に取り込んで、さらに科学に興味を持ちましたか?」、「課題研究に満足しましたか?」、「将来就きたい職業を考えるのに、課題研究での経験が影響しましたか?」などは、教員が担当したほうが有意に高い値となった。一方で、有意差は無かったものの、「研究の内容は理解できましたか?」などは、TAが担当したほうが理解度が低い学生を出さないことに貢献していることが示唆された。

図2 質問紙調査の抜粋
一方で、インタビュー調査の結果、TAの存在意義の重要性を述べる学生が多く、ただし、近くにいていつでも聞ける状況のTAが理想であることの重要性が理解できた。また、大学教員に依頼するのが申し訳ないと思う学生が多く、その前段階においてTAに依頼できることもTAもメリットであることが示唆された。さらに、専門用語を1つ1つ質問するのが烏滸がましく感じていて、気軽に聞けるTAの存在は高校生にとって重要であることが示唆された。KJ法により、得られたインタビューデータを解析し、詳細に大学教員とTAの良い点・悪い点を明らかにし、大学教員のすべきこと、TAが担当すべきこと、両者が関わる必要性があることなどを検討したい。
[まとめ]
本研究では、お茶高2年生が紅藻カギケノリから高収率にブロモホルムを回収するための栽培条件や有用な産地・株に関する研究を行い、年度によって大学教員がお世話した学年と、おもにTAが担当した学年とで、理解度や満足度に関する質問紙調査と個別半構造化面接を実施した。まだ解析途中だが、高校生にとって大学教員とTAは、もちろん両方が必要であるが、それぞれにして欲しいことが異なり、それが理解度や満足度、さらには、よりよい実験結果を得ることに影響を及ぼすことが示唆され、今後、どのような割り振り担当が効果的なのかを検証するための基礎データを得ることができた。
今後は、本研究における大学生TAによる教育効果検証を足掛かりに、附属学校園が揃う本校ならではの、大学生が高校生に、高校生が中学生に、中学生が小学生に、小学生に幼稚園児に、近い世代が教育・研究をアシストすることで、教育の質の向上システム構築を実現したい。
【SDGs推進研究所 事務局より】
本研究は、嶌田智先生(理学部生物学科植物系統進化学)と植竹紀子先生(総合知開発研究機構 サイエンス&エデュケーション研究所/特任講師)の共同研究です。2024年6月27日に開催したSDGs研究助成・教育助成 成果報告会では、嶌田先生より、紅藻のメタンガス高収率をテーマにした研究で、大学教員・TA(大学生)が高校生に交わり実験したところ、質問紙や面接による心理測定の結果、教員とTA(学生)は女子高生の学びの心理に異なる面で貢献したとの考察が発表されました。先生方の研究は、SDGsの次のゴールに関わっています。

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令和6年度 第2回 SDGs研究助成 成果報告会ポスター(PDF形式 809キロバイト)
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