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【開催報告】文理融合AI・データサイエンスセンター/ジェンダード・イノベーション研究所共同セミナー

2024年1月29日更新

データサイエンス × ジェンダード・イノベーション
“採用” に潜むジェンダーバイアスを発見しよう!

開催概要

ポスター【日時】
1日目:2023年11月13日(月)
2日目:2023年11月20日(月)
3日目:2023年11月27日(月)
※毎週月曜日9・10 限(16:40-18:10)

【会場】
お茶の水女子大学本館127室

【講師】
伊藤貴之(文理融合AI・データサイエンスセンター長/教授(情報学)/ IGI研究員)
佐々木成江(ジェンダード・イノベーション研究所特任教授)

【担当教員】
矢野緑里(文理融合AI・データサイエンスセンター特任AF)
高丸理香(ジェンダード・イノベーション研究所特任准教授)
山本咲子(ジェンダード・イノベーション研究所特任RF)

【参加者数】
1日目:22名、2日目:20名、3日目:16名

開催レポート

1日目

SDGs の目標の1 つであるジェンダー平等の実現は世界中で取り組まれているが、日本のジェンダーギャップ指数は146カ国中125位(2023 年)と低く、日本におけるジェンダーバイアスの解消は重要な課題になっている。
本セミナーでは人事採用の選考過程を例に、データサイエンスの知識と統計分析ソフトR を用いて、データに潜むジェンダーバイアスの発見を体験し、性差の視点を考慮したジェンダード・イノベーションについて検討することを目的とした。
1日目は、佐々木成江特任教授よりジェンダード・イノベーションについて、伊藤貴之教授よりデータサイエンスについての基礎知識を学んだ。そして、矢野緑里特任AFより統計分析ソフトRの概要と、参加者のノートPCにRをインストールする方法について説明された。
佐々木教授   伊藤教授
(セミナーの様子:佐々木成江特任教授)     (セミナーの様子:伊藤貴之教授)

矢野AF
(セミナーの様子:矢野緑里特任AF)

2日目

2日目以降は、矢野緑里特任AF が講師を担当した。2日目は、架空の採用データを用いて、採用基準のジェンダーバイアス(性差)をRで可視化させながら分析するグループワークを実施した。セミナー参加者が企業の人事採用担当者になったという設定で、どのように選考指標や審査方法を組み合わせれば、その企業にとっての理想的な人材を採用できるのかを検討した。グループワークで複数の選考指標と審査方法の組み合わせをRで検証し、男女のバランスなど各グループが考えたよりよい選考基準のパターンとそうでないパターンを導き出すという課題が出題された。

グループワーク
(グループワークの様子)

3日目

3日目は、前週に実施した採用基準のジェンダーバイアス(性差)についてのグループワークの分析結果の発表会を行った。各班からの発表内容を踏まえ、さらに考察を深めるために第二の課題が出題された。第二課題では、第一課題と同様にセミナー参加者は企業の人事採用担当者という設定で、選考辞退者の中には優秀な人財がいたかもしれず、その選考辞退者にどのくらいの採用の可能性があったのかを、応募者の学生時代の成績などの変数を組み合わせた線形判別分析を行った。参加学生は色々な変数の組み合わせを分析ツールRで分析し、男性データと女性データの線形判別結果を比較し、どのような変数にジェンダーバイアスが潜んでいるのかを調べる個人ワークを実施した。
最後は伊藤貴之教授より講評がなされ、皆勤の参加者に修了証が交付された。

報告者:山本咲子(ジェンダード・イノベーション研究所 特任リサーチフェロー)

参加者のコメント

※誤字脱字等、修正せずにそのまま掲載しております。ご了承ください。

  • とても楽しかったです! Rでアプリを作って、GUIで操作できるのがデータ分析への障壁を下げていたと思います。2日目参加したかった、、!泣泣
  • AIやデータを活用していくにあたって、データ自体や活用方法に性差がないかを検討することは、現在までのジェンダーバイアスを払拭するために必要不可欠だと思いました。 データの活用を中心に扱う授業だったので、今後はRやRstudioを使用しながら、ジェンダーバイアスやジェンダード・イノベーションについて深い議論をするようなセミナー・授業にも参加してみたいです。
  • 「AIを使うことでバイアスが生じる可能性がある」ということはニュース等で目にしたことはあったのですが、実際にアプリを体験してみることで、どのようなメカニズムで生じてしまうのかをより深く理解することができました。
  • データ分析とジェンダーバイアス、どちらもかじる程度でしか知見がなかったので興味深く学ぶことができました。
  • あまりにも初心者なので、何をしているのかがわからないまま作業をしてしまったので、これからもう一度じっくり振り返って、データを見るということがどういうことなのかを考えてみたいと思います。
  • R Studioを始めて触れて勉強になりました。
  • Rでこのようなアプリを作ることができ、さらにそれがジェンダーバイアスを炙り出すことができることを興味深く思いました。ただ、自分で活用できるかと考えると厳しいのではとも思いました。
  • とても楽しかったです!
  • サポート体制が厚く困ったことがあればすぐに聞くことができました。
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