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台風被害と寄附による復旧状況について

2020年4月20日更新

台風被害と寄附による復旧状況について

湾岸生物教育研究センター長 清本正人

昨年の台風の被害について卒業生の皆様、関係の皆様にはご心配いただき、またその復旧のための沢山のご寄付を賜り、本当にありがとうございます。

昨年の臨海実習シーズンの最中、9月9日未明に台風15号(房総半島台風)が特に強風による被害をもたらしました。翌朝は折れた木々により家の出口が塞がれ構内の通行ができない状態でした。周囲の民家の屋根が軒並み損傷してブルーシートに覆われていたのに、研究棟と宿泊棟は窓も割れず無傷だったのは本当に幸運でした。門扉は外れ、飼育水槽を収めたプレハブも損傷がありました。一番の問題は、その後続いた停電でした。海水ポンプが何日も止まったために、飼育していた動物のほとんどが失われてしまいました。臨海実習でおなじみのムラサキウニやタコノマクラ、イトマキヒトデの他、最近数が減り養殖に力を入れていた数種のウニ、深海性の珍しいウミユリやフクロウニなどです。1年かけて産卵期を調節しているウニは小型の発電機を使ってなんとか維持できましたが、ゲノムを解読したウニの子孫やゲノム編集で作成したウニは大きく数を減らしてしまい、ナメクジウオやサンゴ類もかなりダメージを受けました。

今回のような強い台風の来襲が頻繁になるのが心配なところですが、非常用電源設備は小さな実験所では予算的にも難しいものがあります。このたび皆様から思いもよらない援助をいただき大変心強く思っております。寄付金も活用させていただきながら、非常用のポンプや発電機を購入し、停電時でも貴重な生物を維持できるよう努めているところです。水槽の動物も以前のように増やしてまいりますので、機会がありましたら名前を挙げた動物の実物をご覧にお立ち寄りいただければと存じます。

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