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Intersectional Design Cardsを用いたワークショップ 開催報告

2023年12月6日更新

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【日時】 2023年11月29日(水)10:00~12:00
【会場】 お茶の水女子大学国際交流留学生プラザ2階多目的ホール
【対象】 ジェンダード・イノベーション研究所産学交流会参加企業
【言語】 英日(通訳あり)
【内容】 「Intersectional Design Cards」を用いたグループワークを行い、DE&I視点による研究開発で重要な「Intersectionality(交差性)」について理解を深め、日本社会における「交差性」について考える。
インターセクショナルデザインカード
Intersectional Design Cards
LONDA SCHIEBINGER, HANNAH JONES, ANN GRIMES, ANDREA SMALL

Intersectional Design Cardsを用いたワークショップ開催報告

ジェンダード・イノベーションの提唱者のスタンフォード大学のロンダ・シービンガー教授による、「Intersectional Design Cards」 を用いたワークショップを開催した。 ジェンダード・イノベーション産学交流会の企業を対象として、14企業より22名に参加いただき、また、本学以外の教育機関からは、三重大学名誉教授小川眞里子先生、東北大学副学長大隅典子先生、東京大学博士課程鶴田想人氏に加わっていただいた。

Intersectional design cardsは、2021年にシービンガー教授が率いるチームにより出版されたもので、シービンガー教授によるワークショップは、日本では初めての開催である。Intersectional design cardsは、12のIntersectional Factor(交差性因子)のカード、設計デザインのためのカード、16のケーススタディのカードから構成され、企業における設計チームが交差性(Intersectionality)についてのソリューションを探索・開発できるように設計されており、新規の製品のブレインストーミングや既存の製品に包摂性を持たせるための改善に役立つ。

ワークショップでは、まずシービンガー教授よりカードの使い方についての説明をいただき、その後、4-5名ずつのグループに分かれ、グループワークを行った。まず、カードを使いながら、交差性因子の定義を理解し、さらに付け加えたい交差性因子がないか議論した。続いて、自分たちの製品やサービスで検討してみたい交差性因子を二つ選ぶ作業を行った。そして、検討したい設計デザインのタイプを「形と機能」「経験とサービス」「システムとインフラ」の中から一つ選び、二つの交差性因子の視点から自分たちの製品やサービスをどのように改善すべきか検討した。それぞれのグループから、「年齢」に着目した見守りサービス、「PCやガジェット類に対しての適応能力の有無」「インターネットアクセスの電波状況の良し悪し」に着目した街づくり、「ジェンダー」「障害」「年齢」「経済状況」に着目した化粧品の販売、「年齢」「ジェンダー」「国籍」に着目した宅配業務、「家族構成」と「ジェンダー」に着目したキッチン設計、「年齢」「ジェンダー」「国籍」に着目した人事評価、「環境」「障害」「家族構成」に着目したペットボトルデザインなど、様々なアイデアが出された。シービンガー先生からは、それぞれのアイデアを深めるような質問がなされ、「このワークショップの目的は、人々の公平や平等に対する意識を向上させるためにある。社会的公平性に対する取り組みは、政府からのボトムダウンだけでなく、我々が関与しボトムアップで行うこともできる。例えば、AIに無意識にバイアスが埋め込まれる可能性があるが、我々はそれを止めることができる。我々が、一つ一つの商品やサービスを公平で平等なものにできれば、生活全体や社会全体を変えることができる。日本の企業・団体に、多くの期待を寄せる。」というお言葉をいただいた。

また、参加者よりIntersectional design cardsの日本語翻訳版の要望があった。日本でも公平・平等を意識した様々な商品やサービスの開発を推進するために、今後もこのカードを活用したワークショップを広めていきたい。

ワークショップ石井先生お疲れ様でございます。齋藤です。ワークショップの様子

ワークショップの様子ワークショップの様子

ワークショップの様子ワークショップ斎藤先生

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