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2023年度 第1回 ジェンダード・イノベーション産学交流会報告

2023年8月31日更新

2023年度 第1回 ジェンダード・イノベーション産学交流会報告

【日時】2023年7月21日(金)16時~18時 
【会場】共通講義棟2号館101教室 
【参加企業】企業16社より37名。学内より学生20名、学生以外11名、合計68名。
①16:00~16:02 開会挨拶:石井クンツ昌子(IGI研究所長/理事・副学長) 
②16:02~16:05 趣旨説明:斎藤悦子(IGI副研究所長) 
③16:05~16:55 参加企業の紹介(ジェンダード・イノベーションや女性活躍に関する現在の課題や関心事項など2分程度) 
④16:55~17:55 GI演習の学生発表と質疑応答(進行:太田裕治 IGI副研究所長/副学長) 
【テーマ】ジェンダード・イノベーション(GI)を学ぶ学生による提案 
アントレプレナーシップ演習「ジェンダード・イノベーション入門編」の受講生が、①街、②オフィス、③味覚、④繊維、⑤農業の5領域におけるジェンダード・イノベーションの可能性について、知財検索システム(Scout)により調査・分析し議論して見いだした結果をご提案。参加企業の皆様よりご討論を賜る。 
⑤17:55~18:00 まとめ 

【開催報告】 

7月21日、共通講義棟2号館101教室において、2023年度第1回ジェンダード・イノベーション産学交流会を開催しました。参加機関は16社で、参加者数は37名でした。本年度の初回ということで、最初に、全参加機関の方に、各社におけるジェンダード・イノベーションや女性活躍に関する関心事項などを発表していただきました。女性活躍については、管理職の女性割合の低さや、共働きが多い昨今は男女ともに海外赴任させることが難しくなっているなどの課題が示されました。また、ジェンダード・イノベーションに関しては、性差分析が企業の多様性や生産性の向上にどのようにつながるのかという点に関心がある企業が多くありました。

続いて、本年度前期に開講したアントレプレナーシップ演習「ジェンダード・イノベーション入門編」の受講生20名が、「街」、「オフィス」、「味覚」、「繊維」、「農業」の5領域におけるジェンダード・イノベーションの可能性について発表しました。知財検索システムScout(スカウト)を活用して性差に関する課題を見出して、それらの課題を解決するためのモノ、コトを考案するという、授業課題の成果報告です。

「街」に関しては、女性が公園を訪れる理由は「子どものため」が1番になっていました。また、女性は男性より中高強度身体活動(MVPA)の量が少ないということが確認されました。そこで、公園に安全な育児に関するサービスなどを付加することで、公園を女性のMVPAのオアシスにする取り組みが提案されました。「オフィス」に関しては、男性はトイレでの手洗いが不十分な傾向があることがわかりました。この解決方法として、男性は競争環境で高いパフォーマンスをするという報告があることから、ゲームを用いて手洗いを促すトイレ内のシステムが提案されました。「味覚」との関連では、男性の半数程度は料理が好きであるにもかかわらず、料理回数は女性の方が多くなっているということがありました。そこで、男性は料理をしないというイメージを払拭するために、料理初心者の男性を対象とした調理器具のサブスクリクションを提供して、道具、知識、経験を連動して身に付けてもらうシステムが提案されました。「繊維」の分野では、男性の長時間労働による疲労や休養充足度の不足という課題を解決するために、男性の疲労回復に特化した着圧タイツが提案されました。「農業」に関しては、女性農業従事者は地位的孤立や地理的孤立によるストレスが大きいという課題が見つかりました。これを解決するために、農機具や帽子に通信機を装着して離れた場所で作業をする人やAIとの会話ができるようにすることや、家にいながら遠隔操作できる農業ロボットなどが提案されました。質疑応答では、それぞれの提案に対し、どのように資金を調達するか、利用時の心理的ハードルをどのように下げるか、具体的なマーケティング方法など、企業の方々から多くのアドバイスをいただきました。

産学交流会2023年度第1回
産学交流会 石井クンツ昌子による開会あいさつ

産学交流会2023年度第1回
ジェンダード・イノベーションを学ぶ学生による提案

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