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富士通・お茶の水女子大学AI倫理社会連携講座 ゲスト講演会 「ITのジェンダーギャップを教育とエンパワーメントで変える」

2023年7月26日更新

活動報告 

ゲスト講演会 「ITのジェンダーギャップを教育とエンパワーメントで変える」

開催概要

開催日時:2023年7月3日(月)9:00-10:30
タイトル:「ITのジェンダーギャップを教育とエンパワーメントで変える」
講師:特定非営利活動法人 Waffle 森田久美子氏
開催方法:Zoomミーティング
参加者数:38名

開催レポート

富士通・お茶の水女子大学「AI倫理社会連携講座」は、ジェンダー課題に対してAIを活用した解決策の立案を目指す連携拠点として2023年3月1日に設立されました。研究活動の一つとして、社会科学と計算機科学それぞれの分野を理解する週例の勉強会を実施しています。

さる7月3日(月)に、はじめての試みとして、特定非営利活動法人Waffleの森田久美子氏によるオンラインのゲスト講演を開催しました。当日は、お茶の水女子大学 佐々木泰子学長、石井クンツ昌子理事・副学長はじめ、お茶の水女子大学の先生方、および富士通のDE&I関係部門を含む38名が参加し、45分の講演の後、30分の活発な議論が行われました。

特定非営利活動法人Waffleは、IT分野のジェンダーギャップを教育とエンパワーメントを通じて是正するというミッションのもと、女子およびジェンダーマイノリティの中高大学生に向けたハンズオンプログラムやイベント活動、「経済財政運営と改革の基本方針2023(通称:骨太の方針)」 に「理工系におけるジェンダーギャップ解消」に関する内容を明記するなどの政策提言活動も行っています。

本講演では、まず、日本におけるIT分野のジェンダーギャップの現状と、その要因として、社会のジェンダーステレオタイプと高校の早い段階での文理選択が影響していることが、多くのデータと共に提示されました。次に、この課題に対して、Waffleが取り組む中高大学生に向けたIT教育が紹介されました。また、大学と企業ができることについて、米国の大学や国内企業の事例を交えて提言がなされました。

質疑では、ITに興味を持つ学生を増やすための施策について質問がありました。森田氏から、ITをツールとして何ができるようになるのかをメッセージとして出していくことで目的意識を持った学生に関心を持ってもらうと回答がありました。
また、大学の女子学生枠などのアファーマティブアクションについても議論されました。男女を均等にするという数合わせに終わるのではなく、入学前後の支援策が重要であることが示唆されました。
AIはジェンダーギャップを解消するか、逆に強化してしまうか、という質問について、学習データがジェンダーギャップを反映していることや開発者の多様性が少ないことによる懸念が示され、使い方のルールや開発者の多様性確保が課題であることが共有されました。
この他にも、大学、企業それぞれの立場からの質問、議論が行われました。

今回の講演は、本講座メンバーだけでなく、お茶の水女子大学と富士通の参加者が課題を共有する有意義な場となりました。今後のネットワーキングのきっかけとし、これからの本講座の活動に反映させていきます。
(報告者:新田泉 AI倫理社会連携講座)

Waffleの森田久美子氏によるオンラインのゲスト講演
講演の様子

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