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性差・個体差を踏まえた脳内情報処理機構の解明に基づくテーラーメイドな情報提供手法の構築

2023年4月14日更新

研究概要
研究成果

研究概要

研究代表者(所属)

小林 一郎(基幹研究院 自然科学系)
研究分担者(所属)

西田 知史(情報通信研究機構 未来ICT研究所・脳情報通信融合研究センター)

羅 桜(理学専攻情報科学領域 博士後期課程)

茂木 比奈(理学部情報科学科)
研究期間 2022年度
SDGs目標番号 5(ジェンダー:ジェンダー平等を実現しよう)
3(保健:すべての人に健康と福祉を)

研究内容

感情など情動における特性においては性差が存在し、それには個体差も関係していることがわかっている。ヒトに与えられる様々な自然刺激の中でも、とくに音楽は、脳内の多領野間の連関に調律を与え、感情を制御しつつ、意識の集中をもたらすことが指摘されている。また、音楽は情動を管理するという暗黙の了解の下、神経疾患の音楽療法としても用いられているが、未だ音楽刺激に対するヒト脳内の情報処理機構の十分な解明はなされていない。
本研究では、音楽刺激を通じて性差・個体差におけるヒト脳内情報処理のメカニズムを解明することを目的とする。また、被験者の性別・個性に基づくテーラーメイドな情報提供を行うサービスなども可能になることから、女性に好まれる商品開発や印象に残りやすい広告作りなどのニューロマーケティングの可能性を拡げることを目指す。

研究成果

研究成果の概要

本研究では、音楽刺激下の脳活動を対象に脳内情報処理の男女差の分析を行った。畳み込み深層学習モデルを用いて音楽の特徴量を抽出し、深層の各階層における音楽特徴量から脳活動状態を予測する符号化モデルを構築し、それを使って男女ごとに音楽刺激に対する階層的な脳活動の分析を行った。脳の機能的な領野を示す関心領域(ROI:Region of Interest)に対してPageRankアルゴリズムを適用することにより、脳の領野のハブ性の階層的な変遷を調べることにより、音楽刺激下の脳内情報処理において男性と女性とで差が存在するかについて検証をおこなった。その結果、男性と女性とで、上位2位の両方ともが上頭前回となったが、男性は右脳で1位、女性は左脳で1位という結果となった。一方で、深層学習を用いず、計測脳活動をそのままPageRankアルゴリズムにかけた結果においては、男性・女性とも左脳の上頭前回が1位となり、性差は観測できなかった。

研究成果

学会発表
メディア掲載
  • NextTech 2050:脳の情報処理 見える化
    日経産業新聞、2023年2月3日
  • 人の感性、脳から解き明かす 情報処理「見える化」
    日本経済新聞(電子版)、2023年2月6日
講演等
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