プロジェクトについて イベント情報 イベントレポート お問合せ

ページの本文です。

イベントレポート「寄席芸能Kidsワークショップ2023」

2024年3月26日更新

「寄席芸能Kidsワークショップ2023」概要
日にち 2023年7月30日(日)
対象 年長~小学3年生(本学附属校園以外のお子さまも含む)
講師

雷門音助(落語)

林家花(紙切り)

鏡味正二郎(曲芸)

主催 伝統芸能×未来プロジェクト
協力 公益社団法人落語芸術協会
お茶の水女子大学附属小学校
「寄席芸能Kidsワークショップ2023 in お茶小」概要
日にち 2023年9月7日(木)
対象 お茶の水女子大学附属小学校生徒(1年生)
講師

雷門音助(落語)

林家花(紙切り)

鏡味正二郎(曲芸)

主催 伝統芸能×未来プロジェクト
協力 公益社団法人落語芸術協会
お茶の水女子大学附属小学校

 01

03

02

「寄席芸能Kidsワークショップ2023」イベントレポート

2020年に開始した伝統芸能×未来プロジェクトでは伝統芸能の世界でご活躍の方々を講師にお迎えして多様なイベントを開催してきました。その一環として2021年度からは、体験を通じて伝統芸能を知る機会としてワークショップをおこなってきましたが、今年度は寄席をテーマに、低学年向けのワークショップを実施しました。嬉しいことに多くの申し込みがあり、伝統芸能への関心の高さがうかがえました。

最初に講師の皆さんにそれぞれの演目を披露していただきましたが、長年の修練に裏打ちされながらも親しみやすい技芸に子ども達は興味津々で、驚き、笑い、大いに盛り上がりました。続いて「饅頭こわいチーム」と「寿限無チーム」に分かれ、チームごとに落語、紙切り、曲芸を体験しました。多くの子ども達にとって寄席芸はテレビや本などで触れていても目の前で見るのは初めてのことで、それを実際におこなうとなるとまた難しく最初は緊張していたようでした。しかし講師の皆さんの丁寧かつユーモアを交えた指導によってすぐに夢中になって取り組みました。それを見守る保護者の方々の嬉しそうな姿も印象的で、大人も子どもも笑顔が堪えないあっという間の二時間でした。

終了後の参加者アンケート(保護者による回答)からは大変好評だったことがうかがえました。感想をいくつか抜粋します。

  • 親子ともに大変楽しい時間を過ごさせていただきました。限られた時間でもそれぞれの面白さが伝わり、また体験することで芸の難しさ、深さがわかったと思います。たくさんの方々の、子どもに学ばせてあげたい!というお気持ちのおかげで実現した企画かと存じます。
  • 楽しい実演があり、興味関心が沸いたところで実際に体験することが出来たので、本人の「やってみたい!」の気持ちがお披露目の時にもあらわれていると感じました。本日の体験により、息子の好きなことの世界が大きく開かれたように感じます。親子ともに心底楽しませていただきました。

当日の様子やアンケートからは、伝統芸能の入口として体験することが有効であることと、そのプログラムとして親しみやすい寄席芸能の力を強く感じました。こうした教育プログラムは継続が肝要であるという考えのもと、2024年度もワークショップを開催予定です。最後に本イベントに運営スタッフとして参加した本学学生のレポートを掲載します。

なお同内容のワークショップを、2023年9月に本学附属小学校1年生全生徒を対象に実施しました。附属小学校の一学年全員を対象とした伝統芸能ワークショップとしては歌舞伎をテーマにした「Kidsプログラム2021inお茶小」以来二度目です。附属小学校の先生方のご協力のもと、落語「寿限無」を覚えるなどの事前学習を経て授業の一環として実施することで、より高い教育強化がうかがえました。コンピテンシーの開発を目指し、附属校との連携イベントは今後も実施予定です。


文教育学部言語文化学科3年 岡野那津 

 寄席芸能kidsワークショップでは、落語家、曲芸師、紙切り師の講師の方々が子どもたちにレクチャーをしてくださる間、私はスタッフとしてそのサポートをするはずだったのですが、ついつい講師の方の技芸に見入ってしまいました。
 曲芸の講師、鏡味正二郎さんは軽快なお話で子どもたちを笑わせながら、軽やかに和傘の上に鞠や枡などを乗せて回す技を披露してくださりました。曲芸を見た子どもたちはすぐに「やりたい!」と意気込んでいましたが、実際にやってみると難しいようで、苦戦しながらも何度も挑戦する、子どもたちの真剣な顔が印象的でした。
 紙切りの林家花さんは、観客に向かってお話をしながらも、するすると紙を切る手は迷うことなく動き続け、すぐにさまざまな形を作り上げる技芸を披露してくださりました。その僅かの間の凄技に、子どもたちも私も魅了されました。出来上がった作品を受け取った子どもはとても嬉しそうで、たった1枚の紙で人を笑顔にできる紙切りは魔法のような、素敵な技芸だと思いました。
 落語家の雷門音助さんは、笑える短い噺をいくつも披露してくださり、子どもたちも私も楽しみました。また、落語特有の、実物はないけれどもあるように見える動き、例えばそばを啜る動きや二人で話しているように見える動きなどを解説してくださりました。子どもたちも高座に上がり、落語を実践していました。他の人に見られてやや緊張しつつも、話し終わって拍手を貰えると嬉しそうで、微笑ましくなりました。
 寄席芸能kidsワークショップを通して、兎にも角にも凄いプロの芸と、子どもたちが楽しんで寄席芸能に挑戦する姿を見ることができました。このように、子どもたちが「すごい!」「面白い!」「やりたい!」と思うことで、寄席芸能がいつまでも続いていくのだろうと思いました。


文教育学部言語文化学科3年 渡邉智絵

 私は「寄席芸能Kidsワークショップ2023」に運営サポートのスタッフとして参加しました。スタッフとして、子供たちが日本の伝統的な大衆芸能に触れる様子を目の前で見ることが出来たということは私にとって非常に価値ある経験となりました。私自身は、日本の伝統的な文化と現代の人々が積極的に関わりを持ち伝統文化が持つ価値や魅力を享受し、自分たちの生活を豊かにしていくことができるようになるためにはどうすれば良いのかということに興味を持っています。その上で、これからの日本の伝統的な文化を担っていく存在となり得る子供たちが伝統芸能を目の前にしてどんな反応をするのか、何を楽しんでいるのか、講師の方々はどのように子供たちに技を魅せているのかということをイベントを通して知ることができたのは、人々と伝統芸能の関わり方について考える上で非常に価値のあることだったとイベントを終えて強く感じました。
 このような貴重な学びを得る機会をいただけたことを、ご参加の方々、講師の先生方、イベント開催にご尽力くださいましたすべての方に感謝申し上げたいと思います。誠にありがとうございました。

  •  
  • このエントリーをはてなブックマークに追加