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ウィーン工科大学International Student Seminar参加報告

2021年11月2日更新

ウィーン工科大学International Student Seminar参加報告

本学の海外協定校であるウィーン工科大学主催の国際学生セミナー(2021年9月6日~17日)に、本学から7名の学生が参加しました。
6月末からリーダーとして本学からの参加者を取りまとめてくれた谷茶いぶきさん(生活科学部 4年生)に参加報告をして頂きます。

オンライン国際学生セミナーを終えて

生活科学部 人間・環境科学科 
4年 谷茶 いぶき

事前に準備したこと
 セミナーが始まる9月6日までに、お茶大メンバー全員と、顔合わせを含め計10回のミーティングを行いました。これはセミナーのテーマである「町並み保存」の知識をお茶大内で共有すること、加えて英語でのディスカッションを練習することが狙いでした。この事前準備は先生から課されたものではなく、お茶大メンバー内で話し合いを行い、セミナーに向けてどのような知識を習得すべきか全員で思案し計画を練った結果によるものです。
 ミーティングでは予め主題を決め、それに沿った題材を一人一つPowerPointにまとめて発表を行いました。自分自身でトピックを選定し調べることで、深い興味と知識を自ら身につけること、調べた内容を発表という形で共有することで、メンバー全員があらゆる分野の知識を獲得することが目的でした。
 7月22日から毎週ZOOMで集まり、日本の古い街並みや伝統的な建物について、ウィーンについて、町並み保存の取り組みについて発表し合いました。面白いことに、お茶大メンバーの専攻や興味の矢印が分散していたため「ウィーンについて」だけでも文化や歴史、お菓子や音楽、映画や文学、住宅など多種多様な知見を広げられました。
 初めてのオンライン国際学生セミナーでありテーマも抽象的だったため、手探り状態の事前準備でしたが、今思えば非常に濃厚で楽しく充実した、価値ある下調べができました。個人的には、お茶大メンバー間で「皆で頑張ろう」という団結感を抱けた点が事前準備の最大の意味だと捉えます。お茶大メンバーは学年や学部が異なりほぼ全員が初対面でしたが、10回に渡るオンラインミーティングを経て、困ったことや不安を互いに打ち明けられる空気感を築くことができました。このお陰で、他大学の学生と更に他言語でのセミナーを乗り越えられたと心底思います。

会議
   (班員と会議の様子)

オンライン国際学生セミナーの内容について
 個人調べを除くと、主にミーティングのセッティングや話し合いの日程調整、先生方とのメールのやり取り、議論の整理を心掛けて行いました。
 前述のように、お茶大メンバー内で情報の共有や相談がしやすい雰囲気を既に作り上げていたこともあり、セミナー開始後ほぼ毎日、進捗状況の確認や疑問点の解決に向けてZOOMミーティングを行いました。これもお茶大メンバーの誰かが自発的に「少し話したい」と言い出し、オンラインであったにもかかわらず、まるで対面の雑談のように気軽に話し合えました。特にウィーン工科大学の教授方や学生の皆さんが出席する全体会議の後や質問会後、さらに割り当てられた他大学生を含む班の話し合いの後には、聞き取れなかった部分を確認し合いました。この作業は私を含め、お茶大メンバー全員にとって、不安を解消できる非常に良い機会でした。というのも毎日のZOOMによって、オンラインセミナーであったにもかかわらず、常に仲間の存在を意識でき、孤独を露ほど感じなかったからです。
 お茶大メンバーが積極的に思いついたことをシェアし、「先生が何て仰っていたか分からなかった」と容易に悩みを吐き出せていたので、誰かに負担が偏ることもなく、誰かが疎外感を抱くこともなく、全員が「セミナーに参画し貢献している」という意識のもと取り組むことができました。
 2週間に及ぶセミナーの後半1週間は、割り当てられた班員との作業が主でした。作業では各班にテーマが与えられ、担当のウィーン工科大学の教授の方の授業やご支援を受けつつ、テーマの課題解決策を模索し、最終日のプレゼンテーションに向けて準備を行いました。

オンライン国際学生セミナー参加者とのオンライン交流について
 オンラインの特徴を最大限に活用した交流ができたと考えます。一例に、班員のウィーン工科大学生が企画してくれた”Imperial Garden”のオンラインツアーが挙げられます。私の班のテーマがウィーンの皇室庭園で、そのより良い活用方法や保存の模索が課題でしたが、やはり一度も訪れたことのない街について論ずることは困難でどうしても地に足つかない議論になってしまいます。そこで班員であるウィーン工科大学の学生が、現地の庭園を映しながら解説をしてくれました。このツアーがあったからこそ、実際の庭園の利用方法や利用者の様子、街の雰囲気を知ることができ、最終発表では実現性の高い提案ができました。もちろん、実際にウィーンに足を運び現地の空気に触れることが一番ですが、コロナ禍で訪れることができなくても、十分課題に取り組むことができたと考えます。

オンラインツアー
   (オンラインツアー)

 一方で、やはり班員全員が母語ではない英語を介してコミュニケーションを図る、その上日本語でも難しいオンラインでの議論は簡単ではありませんでした。なかなか自分の意見を相手に伝えることは難儀であり、幾度か聞き返すなどの確認作業を何度も行いました。しかし、ZOOMの口頭での話し合い中に画像や映像、サイトURLの共有や身振り手振り、スケッチなどの多種多様な表現方法に加え、WhatsAppを用いて文章で適切に書き示すことで、深い議論を行えたと考えます。各学生が「自分たちの力で良い発表に仕上げたい」気持ちで主体的に工夫を凝らしてコミュニケーションをとろうとしたことが成功の鍵でした。

オンライン国際学生セミナーを終えて、今後の大学生活やキャリアにどう生かしていくか
 今回のセミナーで、①異なる言語や文化、価値観を持つ人たちとコミュニケーションを図る力 ②チームとして成果をあげる力 の大きく二つのスキルを獲得できたと考えます。
 ①に関しては、一度のセミナーで習得できる力ではないと考えますが、私個人としてはこれまでに培ったコミュニケーション力をさらに成長させる良い機会でした(これまでに何度かお茶大グローバルリーダーシップ研究所主催の国際交流に参加させて頂き、異文化交流の基礎となる柔軟性やコミュニケーション能力を身につけていたことが大きく寄与しています)。今後社会人となり多種多様な属性の人々と仕事をする上で欠かせない、理解力・コミュニケーション能力を、大学生活最後の4年時に得られたことは私にとって非常に価値あるものでした。②はお茶大メンバーがいたからこそ養えたチーム力であり、一度「チームで努力した」経験は、将来のどんなグループ活動にも自信をもって応用できる素晴らしいものだと考えます。

最後に(感想)
 楽しいだけで終わらない、大変有意義なセミナーでした。上記のセミナーで得られたスキルに関して、私を含めお茶大メンバー全員が「せっかくの機会だから何事も全力を尽くそう」という思いを持ち、自分に与えられた役割以上のことに挑戦し続けたからこそ得られた結果です。是非「何かに打ち込みたい」「チームで成し遂げたい」と考えるすべてのお茶大生に勧めたいです。学年や国際交流の経験の有無は全く影響しません。考えているだけ、思っているだけでは何も始まりません。あなた自身で、自ら、考えや思いを発信して行動に移してみてください。

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