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2026年4月30日更新
お茶の水女子大学「伝統芸能×未来プロジェクト」では、子どもたちが日本の伝統芸能に親しむ場として、夏休みに小学生の児童を対象とした伝統芸能のワークショップを2023年度より毎年開催しています。
今年度は歌舞伎俳優の市川笑也さんを講師にお迎えし、歌舞伎の演技体験をおこないました。第一線でご活躍の演者の方々を講師にお迎えするイベントは毎年多くの申し込みをいただいており、今年度も満員御礼となりました。心より感謝申し上げます。
初めに、歌舞伎とはいかなる芸能であるか、スライドを用いながら解説を行いました。歌舞伎に触れるのは初めてという子どもたちも多くいましたが、それぞれが知っていることや気になることを見つけ、楽しみながら聞いてもらえたようでした。
続いて、笑也さんに女形の芸を披露していただきました。所作一つで男性から女性へと様変わりする様子を目の前で見て、子どもたちはもちろん保護者の方々からも感嘆の声があがりました。
その後は、「暫チーム」「赤獅子チーム」「白獅子チーム」の3チームに分かれて、歌舞伎の演技と台詞に挑戦しました。
まず演技は、町娘、町人、武士、鳶という4つの役を対象に、それぞれの歩き方を体験しました。この体験に子ども達は大変興味を持ったようで、笑也さんに質問をしたり、子どもたちどうしでアドバイスをしたりしながら、何度も体験に取り組みました。体験を通して、同じ「歩く」という動作も役が違えば全く異なることや、その違いを出すための技は想像以上に難しいということを感じたようです。
続く台詞は、『三人吉三廓初買』に登場するお嬢吉三の「月も朧に白魚の…」から始まる名台詞を実際に言ってみる体験を行いました。最初は恥ずかしかったり、上手く台詞が言えなかったりすることもありましたが、慣れてくると自ら手をあげて台詞を言う子どももいました。また、この台詞体験では、普段劇場で大向うをされている方に「大向う」をかけていただき、子どもたちも「大向う」の体験も行いました。これらを通して、歌舞伎の台詞の迫力と、それゆえに大向うをかけたくなる魅力に気付くことができました。
終了後の参加者アンケートでは、ワークショップを通して、あまり触れる機会がなかった歌舞伎の面白さを実感し、実際に歌舞伎を観てみたくなった、という声を多くいただきました。感想を一部抜粋して以下に掲載いたします。
参加した子どものうち半数ほどは歌舞伎を知らないとのことでしたが、ワークショップが進むなかで自ら挑戦し、笑也さんに質問をする様子が見られ、歌舞伎を楽しんでいました。また、笑也さんも子どもたちから次々にあがる質問にお答えくださったり、リクエストに応えて芸を披露してくださったりと、その芸の魅力を余すことなく伝えてくださいました。
私は運営スタッフとして携わりましたが、子どもたちが伝統芸能に触れる機会が少ない現代において、その貴重な場に立ち会えて嬉しく思うとともに、スタッフにとっても有意義な学びの機会になったと感じています。ワークショップを通して、子どもたちは伝統芸能のどのようなところに興味を持ってくれるのか、伝統芸能を発信していくにはどのような場があれば良いのかということを学ぶことができました。このような機会がもたらす影響や重要性を改めて認識し、今後も伝統芸能の普及活動に携わっていきたいという思いが強まりました。
「伝統芸能×未来プロジェクト」では、今後も「Kidsワークショップ」をはじめとした様々な企画を継続的に展開していく予定ですので、次回の開催にも関心をお寄せいただけましたら幸いです。
最後にはなりますが、改めてこのたびのワークショップにご参加いただいた皆様、そして講師の市川笑也さんに感謝申し上げます。まことにありがとうございました。
アカデミックアシスタント 渡邉智絵