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第2回学修プログラムを行いました。

2021年12月18日更新

第2回学修プログラムを行いました。

12月18日(土曜日)に第2回学修プログラムがオンラインで行われました。今回は「女子学校制服としての袴 -袴の着装を通して、服装の機能性の変化を考える-」というテーマで生活文化学講座の難波知子先生にご講演いただきました。

今回の学修プログラムでは難波先生に特別に事前レクチャーの機会を設けていただき、学修プログラムの2日前、12月16日(木曜日)に袴の着付けをレクチャーしていただきました。そして準備万端で挑んだ学修プログラム当日朝ハウスに袴と参考資料が届き、なかなか着る機会のない袴に気分が上がりました。そして、まず初めに寮生はプログラム終了後に綺麗な状態で袴をお返しできるよう、ハウスメンバー全員で写真や動画をとりながら袴や着物がどのように畳んであるかの記録に取り掛かりました。

ついに学修プログラムが始まり、まずは先生のご講演で女子学校制服の変遷と女学生の袴の装いについて学びました。ご講演では明治時代前半は服装が自由で和装の学生が多かったけれど、学校制服の制定によって一目でどこの学校に所属している女学生なのかを分かるようにすることで女学生たちの素行を良くしようと図られたことを学び、衝撃を受けました。このお話を受け、高校生まで私達が当たり前のように着用していた制服の社会的な役割に初めて気づきました。また、時が経つにつれて女子学生の制服はどんどん動きやすいものに変化していて、その背景には日清戦争や生徒たちの袴への憧れなど複数の要素があるというお話がとても興味深く印象に残りました。寮生からは明治時代に主流だった和装は登校準備に時間がかかって毎朝大変そうだという声も上がりました。

そしてご講演のあと、寮生たちは実際に袴を試着し、着心地や動いてみた感想を各ハウス内で話し合い、ハウスごとに発表しました。袴の着付けにはハウスによる特色が見られ、ハウスメンバーの一人が剣道部で袴に慣れていたために全員がパッと袴を試着できたハウスや、袴を履く代表一人を決め、その一人の着付けを全員で協力して取り組んだハウスなど様々でした。実際に袴をきてみた状態で座ったり、歩いたり、走ってみたり、階段を登ってみたりなどさまざまな動き方をして着心地を確かめて見ると、「ロングスカートに似た着心地で思ったよりも動きやすい」という感想や「姿勢がシャキッとするので勉強に集中しやすそう」というポジティブな感想が多く見受けられました。また、成人式の前撮りを済ませた多くの2年生からは、前撮りで着た振袖に比べて着心地が良く、長時間着ていても疲れないという感想が出ました。しかし一方で、現代のズボンやスカートなどの服装に比べて大きな動きは制限されてしまい、動くほど着崩れが気になるという感想や、勉強や食事の際に袖が汚れてしまいそうで心配という感想もありました。袴についてのご講演だけでなく、実際に着てみる経験ができたため、寮生みんなは経験したからこそ分かる制服としての袴の良い点・悪い点に気づくことができたと思います。

学修プログラム終了後は、事前に撮影した袴の写真をもとに使用した袴や小物を元通りに畳む作業に取り組みました。写真はあったものの届いた時と同じように畳むのはかなり難しく、ハウスメンバー総出で何十分もかけ、どうにか畳むことができました。

今回の学修プログラムでは難波先生の大変興味深く、学びの多い講義と、実際に袴を試着した経験から、より深く制服としての袴について考えることができました。また、感染対策を行った上でハウスメンバーで協力して袴の着付けや片付けに取り組んだので、和気藹々とした楽しい時間を過ごすこともできました。普段寮生の多くが触れることのない服飾学というテーマについて実際の体験も交えながら学ぶことができた経験は、寮生全員にとって非常に貴重なものだったと感じています。
第二回学プロ

(文責:SCC広報委員会)

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