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2025年1月15日更新
フィンランドで市民権を持つ人は学費が全て無料なので、大学で出会える人の幅が日本と比べると本当に広いと感じます。私の視点ですが、日本では、学校というシステムに長くいられる人は限られていて「良い」とされる教育へアクセスするには学校以外にも塾や習い事・試験にたくさんのお金をかけなくてはならず、周りに「自分は教育を受ける価値がある」と証明してやっと触れられるものが教育であるように感じます。しかしフィンランドでは、「権利の保障」として教育がなされている分、根本が日本とは違うような印象を受けます。教育を受けることが贅沢品ではないからこそ、大学の授業でもいろんな階級の学生に出会えるし、その分アカデミアが研究できる範囲も格段に広く、教授にまでなれる人の層や研究対象、授業内容が幅広いと感じます。私が履修した授業は講義を聞くだけのものではなく、ディスカッションや自主学習、ビデオ制作があるものでした。また、雑誌Play boyに関する授業では「この雑誌はSexist, Racist, Heteronormative, Exploitiveな部分を含んでいるので、不快に感じたり悲しくなったり、興味が持てないと思っても妥当なことで、無理に自分を奮い立たせる必要もないし、休憩を挟んでも大丈夫」という注意から授業が始まりました。このような前提をクラス全体で共有し学習できることがどれだけ学習の場の安全性につながるのかを改めて感じました。 フィンランド語のみ開講の授業は言語の壁があったので履修できなかったのですが、基本的には、交換留学生でも所属学部を問わずに幅広く授業をとることができたので期待以上の学習体験ができています。
古着屋さんやリサイクリングセンターがたくさんあり、質もすごくいいので、こちらに来てから消耗品以外ほぼ新品のものを買っていません。また、学生組合(Student union)の活動が盛んなおかげで、組合主催のイベントがたくさんあって新しい人と出会う機会が多いです。イベントの場を差別やハラスメントのない場所にするために守るセーフスペースポリシーや、ハラスメントや嫌な経験をした時の連絡先の明記、イベント会場の車椅子やバイナリートイレの有無などアクセシビリティついての記載が、どのイベントもしっかり行われている印象です。こちらに来て特に助けられているのは留学生向けの学生組合のESN FINTです。ここに組合費を払うと、学校の中に不要になったものを持ち寄って勝手に持って帰れるリサイクリングルームが使用できたり、ベッド周り用品やキッチン用品を前の世代の留学生から安価で引き継げるstarting kitを利用できたりしました。そのおかげで初期費用も安く抑えられました。また、住んでいるlapinkaariというアパートは留学生がたくさん住んでいてキッチンが共用なのでそこでいろんな友達ができました。「とっても疲れてもう人と話すエネルギーがない!!!」という日はキッチンに行きたくなくなりますが、一人暮らしだけどすぐに会える距離に友達が住んでいることの心強さを感じています。
・バスはどのバス停にも止まるわけではなくて、そこに立っているだけでは素通りされてしまうので、手を挙げて乗りたい!アピールをしないといけません!最初はそのルールを知らなくてとっても戸惑いました。
・図書館は静かにするゾーンと喋っても大丈夫なゾーンに分かれていたり、ゲームができる場所があったり、楽器が借りれたり、イベントを開催できる場所があったりするので、本当にいろんな世代の人が利用していて驚きました!
12月初旬には授業が終わるので、旅行に行く人もいます。半期で留学を終える交換留学生も多いので12月中旬ごろには多くの友達を見送ることになり寂しい気持ちになります。街の中心部にはクリスマスマーケットが開かれて、いろんな場所がイルミネーションでキラキラしています。授業時は1月の2週目ごろから始まります。