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2024年2月13日更新
2024年2月8日(木)、SDGs推進研究所は株式会社 明治、JICA(独立行政法人国際協力機構)ご後援のもと、公開セミナー「カカオで学ぶSDGs」を開催しました。
株式会社 明治から木原純氏、JICAから堀田さくら氏にご登壇いただき、NPO法人ACE 佐藤有希子氏、imperfect株式会社 佐伯美紗子氏をお呼びして、チョコレートの生産から流通にて発生する課題への取り組みをお話いただきました。
企業、行政機関含む多くの一般115名もの方々にご参加いただき、盛況のうちに閉会しました。ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。
【日時】2月8日(木曜日)9時半~11時半
【対象】一般の方および本学学生・教職員
【会場】共通講義棟2号館101室(対面開催)
【次第】
1. 「カカオがフルーツって知ってました?!カカオの可能性を追求する明治の挑戦」
株式会社 明治 グローバルカカオ事業本部 カカオマーケティング部 CXSグループ長 木原 純 氏
2. 「カカオ産業における児童労働の解決に向けた取り組み」
特定非営利活動法人ACE ソーシャルビジネス推進事業チーフ 佐藤 有希子 氏
3. 「多様な関係者間での協働を通じ、持続可能的なカカオ産業を目指す」
独立行政法人国際協力機構(JICA) ガバナンス・平和構築部 ガバナンスグループ 法・司法チーム 堀田 さくら 氏
4. 「『生活者』と一緒に目指す社会課題の解決 」
imperfect株式会社 代表取締役社長 佐伯 美紗子 氏
司会:小中鉄雄 (SDGs推進研究所客員教授)
カカオからチョコレートができる工程を知り、生産国や国際取引の実状、児童労働問題、森林破壊等の環境問題など、カカオを取り巻く多様な開発・社会課題を学ぶことで、SDGs達成への参画意識を向上させることを趣旨に開催しました。
企業、NPO、政府系機関の各ステークホルダーの立場から、4名の皆様に20~25分程度ご講演いただき、20分程の質疑応答を設けました。市場に溢れる魅力的な商品としてのチョコレートが出来るまでを伺う一方で、カカオを生産する過程で生じる現地の自然や人々の犠牲についてと、そうした課題への取り組みの実状をお話いただきました。
株式会社 明治 木原氏のご講演では、カカオが地理的に限られた貴重なフルーツの一種としてセンシティブに育てられることが説明されると同時に、チョコレートの原料に使われるのは実の3割で、更なる生産のために進む森林伐採や現地の人々の過酷な労働実態を、今後の産業の発展と共に改良していこうとする企業の志を紹介いただきました。
NPO法人ACE 佐藤氏のご講演では、世界で1億6,000万人(2020年時点)といる児童労働の現状の中で、2009年から大手メーカーはじめとした多くのチョコレート製品の売り上げ寄付を通し、622人の子供たちを実際に児童労働から解放したことや、そうした取り組みを更にスケールアップするため、ガーナ政府と「児童労働フリー・ゾーン(CLFZ)制度」を構築・推進した等との事例を紹介いただきました。
参加者への質疑応答には、パネリスト同士によるインタラクティブなディスカッションが交わりました。エシカルでもやや高価な商品への低い購買意欲という課題や、消費者ベースでの行いがどれほど実効性を持ち得るのか等との問いに対し、各所キーパーソンの見解が交差した緊張感ある思索の時間となりました。
ご協力いただいた参加者アンケートは、今年度の本研究所事業報告書にて集計結果を記載しています(pp.41-44)。 真摯なご関心を示す数々のコメントをありがとうございました。
消費者のさだめを負いながら実社会で何らかの役割を果たそうとする私たちにとって、フェアな社会システムを共創する重みを実感させられます。ご来場いただいた皆様、パネリストの皆様、明治、JICAのご後援に謝意を表します。誠にありがとうございました。